229、ココ王国(6)
「陽動ですか」
ムサシノ王国王都チヨダに転移した私はナリタ公爵に相談した。
今回のおかしな事件の終わり方に疑問を持ったからだ。
何かしらの陰謀が絡んでいるのではないか疑っている。
ココ王国の捜査関係者は数人を除いて事件の幕引きを行いたいようだ。
もうこれ以上の厄介事は御免というわけだろう。
そのようなことでココ王国の捜査関係者とは話ができない。
そこでこういう陰謀的な内容や様々な情報に詳しいナリタ公爵に相談したわけだ。
「タカシ君が協力のために動くような事件を起こす。それも何もひねりがない。何か踊らされているような印象。そこから陽動が思いつくよ」
「そうですか」
「タカシ君は本当はココル周辺にいる予定だったよね。タカシ君を狙った陽動ならば、ココ王国王都ココルに気を付けた方がいいように感じる。それ以外にも例えば、タカシ君とココ王国の捜査陣との連携の状況を調べるための囮ということも考えられるがあまりに情報が少なすぎる。私にも相手の意図が全く読めない」
「しかし、おかしな事件ですよね」
「そして、おかしな魔法道具だ。今までに聞いたことがないな。まあ、早めに王都ココルへ移動した方がよいのではないだろうか。ちゃんと戻ったとわかるように」
「わかりました」
「あ、今思い出したがすでになくなっているはずなのだが変わった魔法道具を作る人物がココ王国北部にいたよ。名前は・・・。思い出せないな。思い出したら連絡しよう」
ココ王国中部の主要都市コクコに戻り、リサさんたちと合流する。
捜査陣に別れを告げ、王都ココルへ飛行船で向かうことにした。
転移だといつ帰ったかわからないからね。
コクコから4時間でココルへ着いた。
王都ココルも変わった様子がない。
王宮に行き女王陛下と情報交換をしたがとくに得られるものはなかった。
では神殿か。
そう言えば事件終了後に神様たちから何も連絡がなかったけど・・・・・・。
いやな予感がする。
神殿には私とミスルで向かった。
そこには険しい顔をしたアスカ神様とココ神様とココル神様がいた。
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