213、アバシ王国(22)
さらなる異変が
12時30分、昼食を終え地下70階のボス部屋へ行く。
ボスがいなかった!
入る直前まで気配を感じていたのだがいなかった。
情報ではユニコーンとミノタウロスキングとフクロウだったはずだ。
「こんなことは聞いたことがない」
フルル王女らも驚いている。
ボスの部屋を抜けて転移門のある小部屋に入った。
いくつか考えられることはあるのだが。
まずは71階の入り口の安全地帯まで行く。
そこで下層の様子を探ってみた。
邪神に気づかれないように慎重に。
71階から80階のボス部屋は空だった。
どこに移動したのか?
「外に転移していたら大変なことになる」
アバシ王国の面々が心配している。
確認するために念話を使うか?
こちらの情報が邪神に伝わってしまうからまずいよね。
71階の安全地帯で待ってもらい、70階の小部屋に行き、転移門を分析する。
確実ではないが使用された形跡がない。
70階のボス部屋のも入れた。
結果としてどこに移動したのかわからない。
新たなボスも出現してこない。
わからないことだらけだ。
「わからないが進むしかないと思う。それとも何人か外に戻るか」
「いや、外は警戒しているだろう。強いものも多くいる。先に進もう」
可能性としては下のどこかにボスを集めたというところだと思うのだがあまり何度も邪神の近くに探索を拡げるのはまずい。
しかしどこに行ったのだ。
あまり考え込むのはまずいあまりな。
前の魔物に集中することにした。
71階はスライムと猿と食虫植物とキノコとリザードマンとオーク。
72階はコボルトと角猪とサボテンとワームとミノタウロスと首長竜。
73階は角兎と砂漠狐と狼とフクロウとオークとミノタウロス。
74階はコボルトと蜘蛛と砂漠狐とフクロウと角馬と鰐。
75階は角貉と狼とキツツキと蛇とゴーレムとオーガ。
76階はキノコと角鹿と蟻と角虎と角熊と首長竜。
77階は角狐と熊とオークと蜂と角熊と鰐。
78階は食虫植物と蠍とオーガと羊とユニコーンと首長竜。
79階はスライムとゴブリンとフンコロガシとサボテンと角牛と首長竜。
各階の魔物の種類は情報通りだった。
「数が少なかった」
「どの階も3割ぐらい少ない感じだわ」
「何か異変があるのでしょうね」
「警戒した方がいいだろう」
80階の安全地帯には19時に着くことができた。
異変の調査をしたにもかかわらず6時間半でたどり着けた。
ボスがおらず魔物の数が少ないことの影響は大きい。
今日の石造りの休憩所を使う。
どのような異変が起こっているのかが分からない。
簡易住宅も考えたがここではここにある物を使う。
異物の持ち込みは慎重にした方がいいだろう。
見張りは順番に行う。
異変を察知できる魔道具も設置した。
こうして迷宮探索5日目が終わった。
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