198、アバシ王国(7)
亜神を宿した英雄ミスル
アスカ神様の部屋を訪ねる。
ミスルはこの部屋に滞在している。
「タカシ。どうだ自分の鑑定をしたか」
「はい、神力を扱えるのですね」
「そうだよ。その力をうまく利用して欲しい」
「わかりました。それでミスル様の能力を知りたいと思ってきたのですが」
「タカシ。私のことはミスルと呼んで。私が亜神を宿していても敬称はいらないよ。さあ、鑑定してみて」
「わかったよ、ミスル。鑑定するね」
「うん、タカシの好きなように隅から隅まで見て弄ってほしい」
「そういういい方は誤解を招くから」
どういうキャラなんだ。
見た目では15歳ぐらいの小柄な少女なのだけど。
鑑定をした。
ミスル
人族 精霊の血を引く者 亜神を宿した者 英雄
賢者タカシの友人
神力操作
亜神神力魔法
武術上級
亜神能力
アスカ神の加護
武神の加護
魔法神の加護
亜神神力魔法 詳細鑑定 不能
亜神能力 詳細鑑定 不能
「・・・・・・・・・」
好きなように隅から隅まで見て弄ってほしいなんて紛らわしいことを言っていたたけど詳細は不明かよ。
「タカシ。解説が必要か?」
「アスカ神様、お願いします」
「亜神神力魔法はタカシの持っている魔法と同じ程度の魔法だ。ただし、攻撃と防御が中心だ。空間転移神力魔法、特殊収納神力魔法、結界神力魔法、障壁神力魔法、力拘束障壁結界、拘束神力魔法、麻痺神力魔法、睡眠神力魔法、防御神力魔法、攻撃神力魔法、回復神力魔法、治癒神力魔法というところか」
「そうですか」
「神力操作では神力身体強化や神力気配察知上級や神力空間探索が使える。亜神能力では鑑定神力魔法や生活神力魔法や念話かな」
「武神や魔法神というのは?」
「この世界の神ではない。神の世界の役職と考えればいい。ミスルは全ても武術と武器に通じている」
実際には実戦で見ることが必要か。
「タカシ、私の隅々まで知ることができた?私は貴方のものになれた?」
「そういう誤解を招くようなことは言わない!」
「誤解?」
わかっていないのか?
兎にも角にも一度実戦を行うことにした。
竜のいる場所に転移した。
「えーと、武器はどうする?」
「大丈夫。持っている」
ミスルが手をかざすとその手に長剣が現れた。
そして前方へと飛躍。
赤竜を一刀両断。
そして収納へ。
次に飛竜には風の刃か。
これも一瞬だったよ。
そして黒竜のブレスを魔力弾で押し返しそのまま頭を粉砕。
これもすぐに収納へ。
防御を見る暇もない攻撃だ。
「どう、私のことを惚れ直した?」
「何でそうなる!」
「タカシ、恥ずかしがらなくていいよ」
相変わらず一言二言多い英雄だな。
戦力としては申し分ないけど。
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