190、新しい地下迷宮(6)
1日1回は地下迷宮の探索を行っている。
まちろんセルさんたちも連れている。
奥に進んだところで狐の魔獣や狼の魔獣も現れた。
両者とも体長が2m。
それぞれ単独で出現した。
倒した時に消滅して魔石を残すものと死体を残すものが半々だったよ。
地下1階は分岐もなく、ただ道がまっすぐ行ったり、曲がったりしながら進んだ。
もうすでに2km進んでいるがまだ6kmはあることが気配探知で分かっている。
相変わらず魔石だけになってしまう魔獣と死体を残す魔獣の違いが判別できなかった。
解析はマリさんとカレンさんのチームが行っている。
もちろん地下迷宮だけに行っているわけではない。
神様へのお供え。
領都での仕事。
これは主に書類仕事だね。
都市間魔動AGTの工事の手伝い。
カラン国やスルガ王国とのやり取り。
エチ国との情報交換。
地球での仕事。
『魔法のパン』と『魔法のケーキ』づくり。
魔石の回収等々。
そして飛行船建造。
飛行船の試験飛行はこっそりと青の洞窟の外にある草原で行ってきた。
安全の確認もできた。
この飛行船は自動的に障壁を張って防御もできるようになっている。
竜のブレスぐらいなら大丈夫だろう。
飛行船は同型のものをさらに2隻建造した。
こちらも試験飛行は青の洞窟の外にある草原で行ってきた。
この飛行船は25m四方の空き地があればどこでも着陸ができる。
それぞれの飛行船の収納に魔動馬車と野営道具や食料等を入れてある。
いつでも出かけられる。
野営道具には簡単な家具付きの家もあるのは御愛嬌だよ。
そのような忙しい日々を過ごしているときにアバシ王国の姫様がムサシノ王国王都チヨダに到着したことが国王陛下から伝えられた。
王都に会いに行かなくてはならないのかと思ったところ領都イチゲに来てくださるということだ。
私がスルガ王国から帰ってきたことから復活した夕食バイキングを訪れた国王陛下からそのように連絡された。
「ところで明日は飛行船のお披露目だよな」
「はい。明日の午後から予定しています」
「私も魔動馬車で駆け付けるからな。飛行船に乗せてれくれるのだろ」
「はい、構いませんが、大丈夫ですか?空の上ですよ」
「大丈夫じゃ。頼んじゃぞ。それからアバシ王国の姫さんは今日はシラベ町に宿泊している。明日の午前中に到着するだろう」
「ずいぶん急ですね」
「今日午前に王都にたどり着き、私に形式的な挨拶をしたらすぐにこちらに向かったのじゃ。賢者タカシがえらく恋しいみたいじゃな」
「光栄ですがなんと反応したらよいやら。私は嫌な予感しかしないのですが」
「そうじゃな。とんでもないことを頼んでくるかもしれないな」
「勘弁してくださいよ」
さあ明日は飛行船のお披露目だよ。
お読みいただきありがとうございます。