186、新しい地下迷宮(2)
迷宮探索
領都イチゲにアスカ神様の社に来ている。
「地下迷宮の事だろ」
「はい」
「今回の事は少し困っている」
「どういうことでしょう」
「迷宮の種は使われた」
「迷宮の種ですか?」
「アバシ神だけが作れる魔法道具じゃ」
「では迷宮を作ったのはアバシ神様ですか」
「少し違うな。使ったのは人間じゃな。悪いがそこまでぐらいしか答えられん。アバシ王国の姫に会ってみなさい。彼女がアバシ神を紹介してくれるだろう。それからここの迷宮に入るなら罠に気をつけなさい」
「わかりました。ありがとうございます」
少しでも情報を得るために迷宮の探索を行うことにした。
初めての場所だ。
迷宮を知らない人たちを一緒に連れて行くのは危険だ。
反対されたが単独で行くことにした。
転移があるからすぐ逃げることができるはずだ。
今回は単独の方が安全だ。
調査をしてから他の人物を連れて行こう。
まず5mの穴の底に入る。
魔法で階段を作った。
そこから横穴に入る。
斜めに下って行く。
その後、洞窟状の穴はカーブしている。
これはらせん状の下がっているな。
街道の東側の草原500m四方がこの迷宮範囲か。
通路はほんのりと発光している。
入り口の約5m下に着いた。
ここが地下1層目か。
気配探知で調べてみるか。
魔獣が・・・・いた。
兎か?
ここから30m離れた所だ。
こちらに気が付いて近づいてくる。
数は3匹。
さてどうするかな。
色々と試したい。
おっとその前に罠を解除しないと。
魔法で罠を無力化。
この罠は落とし穴だな。
兎が近づいてきた。
兎のくせに長さ10cmの牙を持っている。
体長は40cmで灰色。
牙以外は普通の野兎か。
体当たりをしようとしてくる。
1匹目を氷の矢で射貫く。
弱いな。
2匹目を普通の剣で切る。
3匹目の兎の脳天に手刀を入れる。
簡単に倒せた。
さて消えるか残るか?
消えなかった。
5分待ったけど消えなかった。
兎の死体を収納に入れた。
いくつか確認もしたいので入り口に戻ることにした、転移で横穴の前に移動した。
1匹の兎を手に持って階段を上がる。
何もなかった。
警備の衛士たちに労いの言葉をかけて領都イチゲの領主館に転移した。
兎を調べてみるためにマリさんとカレンさんを伴なって工房に移動した。
魔石は黒色でウズラの卵大だ。
やはり魔獣か。
鑑定したら肉は美味しいとわかった。
毛皮は良質。
牙も堅いな、何かと使えそうだ。
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