182、スルガ王国訪問(18)
帰途へ
さて今日から領都イチゲへの帰途の旅だ。
昨日収納で運んできた魔動馬車のスルガ国への引き渡しや大使館への引き渡しなど予定にないことがあり出発が遅れた。
もう一つ予定外の事としてお供えに行ったときにアスカ神様から言われスルガ王国領都シミの神殿に赴いたことだ。
神殿ではスルガ神様に会い、加護を頂いた。
同行したミヤビ王女も初めてお会いしたとのことだ。
イチゲでお供えを行うことにもなった。
シミを出発して海沿いの街道を東に向かう。
私の魔動馬車にはリサさんとセルさんとミヤビ王女とミヤビ王女の侍女のヤイさんが乗っている。
護衛隊長のホロウ副官は3台目の魔動馬車に乗っている。
途中1時間程度、魔動馬車から転移でエチ国の王都へと行ってきた。
王城からは様々な不正に関する書類が回収されたらしい。
先代の国王の死が現国王であった弟による暗殺である証拠も見つかったという。
酷い国だね。
途中のカバの町で昼食会に招待されている。
地元の魚介類を扱う大きな商会からだ。
海の幸を使った昼食が振る舞われた。
さらに東に向かう。
この辺には湿原が多い。
港町ヌマから海から離れるように進み、今日の目的地ミマに着く。
17時、ほぼ予定通りだ。
領主の屋敷に宿泊させてもらうことになっている。
夕食は鰻などの川魚が振る舞われた。
ここの屋敷には温泉が引かれておりゆっくりと楽しむことができたよ。
途中で抜けたとはいえ、休憩と昼食会を含めて8時間の移動は疲れた。
私よりリサさんやミヤビ王女の方が疲れたであろう。
ゆっくり休んでもらうよ。
7日目の朝だ。
早朝こっそりとお供えをしてきた。
ミマを出発。
ここからは峠越えの道になる。
峠を越え、海に出るとスルガ王国の国境都市ユガだ。
温泉と海の幸が有名だとミヤビ王女から教えてもらった。
「ミヤビ王女はよくご存じなのですね」
「はい、ところで王女というのは止めて皆さんと同じようにさん付けにしてください」
「そうですか。ではミヤビさん」
「はい、そう呼んでくださいね」
うんーん笑顔がいいね。
リサさんから鼻の下が伸びていると揶揄われた。
スルガ王国の国境都市ユガで休憩をして関所のある東門へ向かう。
関所を抜け10m先にはムサシノ王国カタクラ領の国境都市オダの西門に繋がる関所がある。
国境都市オダも温泉と練り物が有名な都市らしい。
関所を抜けるとそこにカタクラ公爵とコンさんが待っていた。
態々ここまで迎えに来てくれたのだね。
ありがとう。
コンさんは領都イチゲからカタクラ領領都アギまで魔動馬車で移動してきた。
ついでにということで父親のカタクラ公爵を伴なって国境都市オダまで迎えに来たとのことだ。
カタクラ領領都アギから国境都市オダまで魔動馬車なら2時間半だよ。
それではここ国境都市オダで昼食だね。
海の幸と練り物の料理が楽しみだ。
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