18 新しい出発に向けて
ストックが切れてきました。
朝だ!
昨日、コンさんと別れてから自宅経由でタカオ町へ。
プロポーズの後のデートとかはなし。
自室に着いて意識を手放した。
『魔法のパン』を一口食べて。。。
よく寝た。
まだ6時だけど。
4月の予定をミオさんに渡していない。
これなら自宅でもよかったか。
自宅の布団よりこちらのベットの方がいいよね。
枕も。
部屋を出るとミオさんが廊下にいた。
「おはようございます」
「おはようございます、ミオさん」
「疲れは取れましたか」
「はい、おかげさまで。ミオさんも早いですね」
「タカシさんの起きるのが分かりましたから。昨日、帰って来たのが分かったのですがすぐ、就寝されましたのでそっとしておきました」
え、私の行動が筒抜け?
怖いな。。。
悪いことはしていませんよ。
「隣の部屋なら気配の察知ぐらいできますよ」
いや、なかなか。。。。
ミオさんの執務室で昨日の転職の決定やルンさんとコンさんへのプロポーズについて話し、4月の予定を書いた紙を渡す。
「これでこちらでの行動をしやすくなりますね。4月2日に王宮へ移動し、4月3日に正式な神の遣い・賢者の公表と私たちとの婚約発表、そしてタカシさんの公爵叙爵ですね。今日と明日もタカシさんは忙しいでしょうが頑張ってください」
昨日の騒ぎで多くの住民が知ってしまったけど。
朝食。
ミオさんと魔法のパンを食べる。
まだ賞味期限内だよね。
2切れ残して。
力が湧いてくるとミオさんが喜んでくれた。
今日も頑張ろう。
早速、通信の魔法道具で王宮とも連絡を取り、こちらの考えた予定で大丈夫だと了承を得た。
ミオさんとルンさんとコンさんはお互いに連絡ができる通信の魔法道具で連絡を取り合っているとのこと。
そういえば話がどんどん進んでいるけど、この国や3人のことをあまり知らないな。。。
3人は私のことをよく知っているようだけど。
「ムサシノ王国には現在公爵家が四家あります。各公爵家から一人または二人が国王の候補になり、その候補に議会が継承の順位をつけ、国王を選ぶ国です。国王に選ばれた公爵家はムサシノの家名を名乗ります」
「では現国王家からは次の国王は出ないの?」
「いいえ、国王家も公爵家でもあります。ですから正確には三公爵家と国王家から王位継承候補が出ています」
「疑問に思っていたんだけど、私が公爵に叙爵されるということは公爵家が増えるよね。それはまずいことではないかな?」
「何も問題はありません。四公爵家の始祖はすべて神の遣い、つまり賢者です。神の遣いで賢者であるタカシさんは公爵になることが決まっているのです」
「ということは、公爵家の始祖は『異邦人』?」
「はい、今回の公爵家の創設は約300年ぶりです」
「公爵家にはどのような家があるの?」
「タカオ家が今王家となっており、カタクラ家・ヒカワ家・ナリタ家があります」
「ということは」
「はい、ルンさんもコンさんも公爵令嬢で王位継承順位を持っています」
王位は国王が譲位したいときにはいつでも譲位できるということだ。
現在の王位継承順位は1位ミオさん、2位ルンさん、3位ナリタ家令嬢、4位コンさん、5位ミオさんの妹ルミさん、6位コンさんの妹サヤさんだとか。
「男子がいないね」
「どこの公爵家も男子が少なくて公爵家を継がすのに男子が必要なので」
「ナリタ家令嬢ってまさか」
「はい、タカシさんの婚約者候補ですよ。人族です。小さい時のタカシ様を知っているそうです。お会いするのを楽しみにしてください」
「王位継承者候補の多くを私の婚約者にして大丈夫?」
「はい、神様の意向ですから」
10時ごろになり休暇中の会社に行くことにした。
片付けだ。
「急に大変だね」
「いなくなると困っちゃうな」
「明日の年度末懇親会は送別会も兼ねるから必ず出席してね、会費はなしだから」
会社の近くで少し早めの昼食。
同僚に奢らされた。
私の次の職場での厚遇が伝わっているようだ。
誰ですか個人情報漏洩は!
ここで同僚と食べることもなくなるなあ。
荷物を持って会社を出て自宅へそしてカタクラ村へ。
カタクラ村にも家を作ることになった。
訪問するときに便利なように。
村長宅の敷地内に木材や石・鉱石・布などの素材が集められている。
コンさんからのリクエストで寝室5つ・食堂・居間・キッチン・風呂・トイレ・地下工房・地下倉庫があるものを造ることになった。
お屋敷レベルだよね。
「寝室が多くないかな」
「皆さんが訪れた時のためですよ」
建築魔法でまず図面を作る。
CADみたいだ。
続いてその図面で建物を造る。
外装・内装・家具・セキュリティ。
警備のオートマタも2体用意。
ソーラパネルで魔力を建物に供給。
魔法で創った水で上水道供給。
照明完備。
冷暖房完備。
温水あり。
浄化槽あり。
村長宅も上下水道完備にした。
魔力足りるかな?
村長宅にもソーラパネル設置。
曇天が続くと心配だな。
後程要検討だ。
疲れた。
10分という短時間で造ったら疲れが出てきたか。
鉱山では考えながらゆっくり作業をしたからなあ。。。
今回は構想は事前に準備しておいたから早い。
前回の10倍ぐらいの勢いか。
体調を崩さなように注意しよう。
『魔法のパン』を食べたらすぐに完全回復したけど。
今、手元にあるのは1切れのみ。
後でもう少し予備を手元に置いておかなくては。
新しく建てた家の自室に狼の像を祀った。
コンさんや村長宅で働く人たちを登録してオートマタが敵対しないようにした。
コンさんには私に次ぐオートマタの命令権を与える。
一度自宅に帰る。
パンを二切れ持つ。
ヒカワ村の屋敷に戻り、工房でモノづくりを行う。
杖を作る。
魔法の杖ではない。
伸縮可能な杖。
魔法道具の杖。
伸縮警棒のような。
自分の世界で持っていれば問題だから太さも変化するように。
いつもはペンサイズ。
孫悟空の如意棒だな。。。
打撃武器?
純粋な攻撃魔法がなく防御と狩猟魔法しか使えない。
近接で相手を無力化する方法を考えないといけない。
攻撃は最大の防御。
家族ができた以上守る力が必要だ。
相手を麻痺させる魔法と相手を眠らせる魔法と相手を縛り上げる魔法をつけた。
相手を殺傷しない。
この世界は盗賊などなら簡単に殺すようだけど、日本でも生きていく以上日本の法律が基本だ。
殺傷することに躊躇いが無くなるのは危険だ。
相手を縛り上げる魔法は収納に入っている縄で縛ってくれる。
『錬金と錬成の腕輪』の創造魔法付与は便利だ。
自分が創ったものに道具に自分の作り出した魔法を付与できる。
しっかりイメージができれば。
今回は相手をどの位の強さで拘束するか?
強すぎてつぶしては困る?
血液が止まるのも。
難しかった。。。。
拘束の跡がつくかもしれないけど我慢してもらおう。
収納に縄を多めに用意しておかないと。
盗まれないようにセキュリティーも。
離れると戻る機能。
他人には使えない機能。
いつもは腕輪の収納に。
塩の生産具合を見てから製薬工房で薬を作った。
指南書を見ながら様々な薬を。
薬用せっけんも作れた。
これも薬か?
薬用入浴剤は。。。
薬用歯磨きは。。。
できた。
時間を忘れて作業をしていたらルンさんが夕食をだと呼びに来てくれた。
一緒に来た工房管理者が薬を見て驚いている。
かなり良い品質だということだ。
よかった。
資金源になる。
薬草は豊富だからね。
他の工房の迷惑にならないようにかぶらないものを作らないといけないが。
薬用せっけん・薬用入浴剤・薬用歯磨きは売れそうだ。
夕食後、ヒカワ村のこれからについて話し合う。
村を発展させたい。
インフラ整備。
資金をどうする。
環境汚染への配慮。
特に生活排水と鉱毒とゴミ。
鉱山の生産が上がって人口が増えてくる。
鉱山の復旧工事で鉱毒の問題には対策を講じたが完全ではない。
早めの対策立案が必要だな。。。
1日1話投稿したいけど。。。
誤字脱字が多くてすみません。
ミオさんの妹の名前をを訂正しました。




