179、スルガ王国訪問(15)
進軍
朝を迎えた。
昨晩も遅かったので眠いがやるべきことはやらなくてはならない。
神様へのお供えとか。
昨日ユカリさんに指示したことは革命臨時政府の樹立を宣言する事だった。
彼女はすぐに護衛とともに拠点になっている基地で革命臨時政府樹立を決定し宣言した。
この宣言は直ちにムサシノ王国とカラン国が承認した。
そして、エチ国の正当な継承者であるユカリさんがエチ神様の加護を持っていることを公表した。
そしてそれが事実であるということを賢者タカシが保証した。
さらにエチ神様様から預かっていたエチ国の統治者の証をユカリさんに渡した。
これらの事は記事にした1万個の壁新聞の種をエチ国内に撒いてもらった。
日の出と同時に壁新聞が立ち、同時に読み上げられるようになっている。
その中には現王族がエチ神様の意志に逆らう行為をしているのだということもはっきり述べている。
また、革命臨時政府の傘下の貴族には今までの利権をできるだけ保証するとも記述した。
報告がすぐに入った。
様子見だった貴族たちが我先に革命臨時政府の傘下に入ることを宣言し合流してきている。
お国軍の中にも離脱者が出てきている。
神に逆らうことは恐怖なのだ。
スルガ王国とココ王国も先程、革命臨時政府を承認した。
王都シミ周辺の視察は中止となった。
スルガ王国でも今回の事態について協議が必要になる。
午前10時ムサシノ王国軍とタケハヤ公爵領軍の魔動馬車50両がカラン国軍兵200人とムサシノ王国軍兵200人を乗せて国境を越え、革命臨時政府軍の合流した。
革命臨時政府の要請による。
軍の魔動馬車は20人の兵を運べる。
革命臨時政府軍600人を魔動馬車に乗せエチ国の王都に向けて出発した。
普通に進軍した場合2日かかるが今回は魔動馬車を使って3時間半で王都に到着した。
王都にはエチ国軍1800人がいたが離脱が相次ぎ、現在は600人が王城に立て籠もっている。
北西部にある基地ではエチ国軍の全員が戦うことなく降伏したという報告が入ってきた。
これで残るのが王城の600人だけになった。
降伏を勧告する。
しかし新たに降伏してくるものはいなかった。
ここまで来たらいないだろうと思ったが。
こちらの勢力は魔導馬車によって移動した兵がムサシノ王国軍とカラン国軍を含めて1000人。
昨日の夜から魔動馬車に引き連れられて王都まで移動した兵が600人。
近くから革命臨時政府に合流した貴族の軍が600人だ。
エチ国軍を離脱した1200人は今はまだ事情聴取の最中だ。
さて大詰めだね。
王城の600人を捕らえよう。
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