173、スルガ王国訪問(9)
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眠い。
深夜勤務はつらかった。
朝まで変わったことはなかったようだ。
今朝早く捕らえた中にはエチ国の宰相もいたようだ。
後はカラン国に任せるか。
いつでも連絡がとれるように魔法道具に通信機も持っている。
イチゲでお供えをしてから朝食。
そのあと国王陛下らに挨拶をしてカラン国王都ニラキを出発した。
これからは川沿いに南下していく。
途中、カラン国側の国境都市ナブで昼食会だ。
それまでは魔動馬車の中でおとなしくするわけがないよ。
警戒を強めておきながらちょっと領都イチゲの工房へ。
思い付きだからうまくいくかな?
直径1cmほどの種を作る。
透明な種だよ。
実は魔法道具だ。
この種は土に落とすとまず透明な根を地下50cmぐらいまで伸ばす。
そして横にも根を伸ばす。
しっかり地面に固定したら茎をのばす。
まっすぐと真上に2mぐらい。
そして平らな面ができるように高さ1mから上の部分を横に左右とも30cmぐらい拡げる。
高さ1m、幅60cmの掲示板ができる。
この掲示板にはできた時、すでに裏表とも壁新聞が貼られている。
この壁新聞は掲示板からは剥がすことができない。
上から何かを貼ってもそれを溶かしてしまう。
覆いをかぶせても同じだ。
人は溶かさないが猛烈なかゆみに襲われる。
服や防具は溶けるけどね。
かゆみに強ければ裸で掲示板に引っ付いて隠すことはできるよ。
茎を引っこ抜いてもまた生えてくる。
引っこ抜いた茎ははすぐに消えるよ。
1本抜くと2本生えてきて、そのうちの1本は内容を読み上げ始める。
2本抜くと4本生えてきて、そのうちの1本だけが内容を読み上げ始める。
7日経つと枯れてなくなる。
生えてくるところに何か置いてもそれを持ち上げるからね。
壁新聞の内容の1つは今朝のエチ国のカラン国侵略とエチ国軍惨敗と4000人以上の新たな捕虜についてだよ。
もう1つは前回の侵略とその後の交渉の不誠実さと捕虜の現状だよ。
ついでに捕虜の兵一人当たりの賠償額と食費等の費用についても記載してあり家族による捕虜引き取りも歓迎としてある。
この事はカラン国とも話し合ってある。
新しい捕虜はまだ引き取りはできないよ。
昼前にできた種をホウに8000個を託し、配下の鳥や精霊さんたちにエチ国中の人のいるところに撒くようにお願いした。
さあ、国境都市ナブでの昼食会だ。
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