171、スルガ王国訪問(7)
国境の守護を強化というか挑発?
王都ニラキ内の視察は簡単に行った。
早々にカラン国軍基地へ向かう。
エチ国軍の捕虜を収監してある牢の状況を調べるためにここには来た。
色々調査したが問題はなかった。
牢に捕らえられている捕虜を精神が病まないように用意したプログラムも適性に行われているようだ。
さて、カラン国とエチ国との交渉だが全く進展していない。
エチ国が様々な理由をつけ、交渉に応じない。
やれ、うちの正規の軍ではないとか、国の首脳部は関与していないとか。
普通に考えればエチ国軍捕虜4000人の食料代だけで大変なのだが・・・。
いろいろな所から有機物を素材として手に入れ、それ使って作った機能性食品を捕虜には食べてもらっている。
色々な形、色々な味があるのだが、その原料が何かは機密事項だ。
健康には問題はないはずだ。
グルコースや各種アミノ酸などの有機物の素材の消費され、在庫が減って助かっている。
食事代は後でエチ国に請求だ。
エチ国はこちらで食料代が大変になり、そのうち捕虜を解放するだろうと考えているようだ。
捕虜が少なくなれば賠償金も少なくなるとも考えているのだろう。
まあ、我慢比べか。
近いうちに少し揺さぶりをかけようという話にもなっている。
兵たちに家族への手紙を書かせようと考えている。
そろそろ兵たちの家族が騒ぎそうな時期だよね。
エチ国軍が何を行ってどうなったかは徐々にエチ国内に写真入りで情報を拡散させてもいる。
昼食後、エチ国との国境に向かう。
王都ニラキから魔動馬車ならば2時間でたどり着く。
エチ国はカラン国の北西側にある。
関所に着いた。
ここではこちらの関所とエチ国の関所には300mの緩衝地帯がある。
2つの関所の中間の街道以外の場所には柵がある。
この柵が国境だ。
さてこれから大仕事だね。
まずは関所にある砦とその周辺を大改装する。
まずは砦を頑強なものにしたよ。
砦の壁に張り付いて登ってこようとすると途中で自動的に網で拘束し砦の地下にある牢に転移させられる。
壁の前に注意書きを記した。
対人拘束用の網を発射できる大砲も装備した。
夜間用照明もつけた。
夜間に国境を越えた人物がこちらに近づくと点灯するようにしてある。
関所の砦に連なる塀を高くして城壁のようにした。
そして長さも伸ばし完全にここの峠付近では関所を通らないとカラン国に入れないようにした。
城壁には砦の壁と同じように登ってこようとすると途中で自動的に網で拘束し砦の地下にある牢に転移させられる機能を付け、注意書きも掲示した。
さて次だ。
エチ国の砦でも見える小高い所で演習を行う。
大砲を2門用意した。
片方は対人拘束用の網を発射できる大砲だよ。
まずはこれで演習を行う。
人の姿が消えるとエチ国の砦の方からどよめきが聞こえてきた。
次だ。
もう1門の大砲からの1発の砲弾で500m離れた大岩を完全に粉砕する。
再び、エチ国の砦の方が大騒ぎになっている。
この大砲は対人拘束用の大砲と見分けがつかない。
砦に大砲があるということはいつでもエチ国の砦を粉砕できるということに見える。
なお城壁で網で拘束して転移するまでの時間を5分にしてある。
砦の大砲の網は10分拘束した後に自動的に牢に運ばれるようにした。
牢は国軍基地と同じようになっている。
国軍基地から管理要員も連れて来ている。
だから牢の管理は問題ないだろう。
おそらく今晩当たり攻めてくるだろう。
確実にみんな捕虜になるだろうけど。
地下牢は1000人が適正だけど詰めれば一時的に3000人収容できる。
砦には私の部屋も用意してもらった。
いつでも転移で来れるよ。
あ、カラン国内に潜入しているエチ国諜報員が搦手から攻めてきた時の対抗用の罠も仕掛けてあるよ。
お読みいただきありがとうございます。