表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議なパン  作者: TKSZ
167/258

167、スルガ王国訪問(3)

トラブル発生

今朝は久しぶりに雨が降っている。

まあ小雨だから問題はないだろう。

魔動馬車は順調に街道を西に向かっている。

予定通りタカオ町を過ぎ、街道は山道となってきた。

整備がされている街道だから問題がないはずだ。

ところが峠を下ったカーブに人だかりができていた。

嫌な予感がする。


『ホウ、何があったの?』

『つい先ほど馬が急に暴れて馬車がカーブから崖下の落ちたようです』


このまま通り過ぎるわけにはいかによね。

さてどうする。

現場にいる男たちのうち、2人はこちらの手の者だ。

他の4人はちょうど通りかかったカラン国の商人でこちらへの敵意はないようだ。

領都イチゲに向かうらしい。


「リサさん、救出作業を行いたいと思います」

「まあ、それが当然でしょうね」


6mの崖から落ちた馬車には6人が乗っているのがわかった。

ココ王国の商人の一行だ。

直ちに護衛たちに指示して救出作業を行う。

まずは一番危険な商人だ。

急いで丁寧に引き上げる。

商人は全身打撲で重傷だな。

カラン国の商人にタカオ町へ救援の要請に行くようにお願いした。

こちらの救助はよいが治癒士を中心に派遣してほしいということで。


カラン国の商人が見えなくなったところでここにいるのはこちらの関係者。

周囲を探索したが他には誰もいない。

馬車の中の5人に引き上げはこれからだ。

テントを用意する。

体に麻酔をかけ痛みを緩和、ショック状態が起こらないように気を付けながら骨を整復、血管と内臓を修復して全身の傷に対しても治癒魔法。

さらに回復魔法をかけた。

これで大丈夫だろう。

まだ意識が回復していない。


次に上がってきたのは番頭、大けがだが普通の治癒魔法で大丈夫だ。

応急処置的に治癒魔法を使う。

次は商人の娘さんか。

奇跡的にかすり傷だ。

こちらにも普通の治癒魔法だ。

そして御者と2人の護衛が上がってきた。

足の骨折があるが彼らも大丈夫だろう。


ちょうど、タカオ町からの救援部隊が到着した。

治癒士がこちらを見て頷き、商人の治療を行う。

まあ見せかけだが。

そして、番頭と御者と2人の護衛の治癒も行っていく。

後は任せることにした。

馬車の引き上げも救援隊に任せる。

怪我人もタカオ町へ連れて行ってもらうことにした。


馬は2頭も死んでいた。

鑑定で馬が暴れた原因がわかった。

毒だ。

馬だけを興奮させて暴れさせる毒が与えられている。

最終的に馬が死んだのは頭部打撲だが。

どこでぶつけた?

落下した場所からは不自然だ。

タカオ町から救援隊に同行した衛士の捜査を行うように指示した。


さて私たちは先を急ぐか。

約2時間のロスだ。

ここで困った事が起きた。

商人の娘さんが交易都市コウまで同行させて欲しということを言ってきた。


「どうかお願いします。母の命がかかっています」


交易都市コウの親戚に世話になっている母親が重病で高価な薬を届ける途中らしい。

薬の名前を聞いたが確かに特殊な病気に有効な高価で珍しい薬だ。

預かってというわけにもいかないな。

仕方がない。

交易都市コウまで商人の娘さんを同行させることにした。


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ