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不思議なパン  作者: TKSZ
163/258

163、迷宮での訓練(2)

怪我を負って見えるもの。

「タカシさん、しっかりしてください」


黒の地下迷宮に入って1時間後、全身血だらけになりユーラ神様と武神ツルギ様に運ばれ、領主の館に帰還した。

傷は武神ツルギ様によってほとんどなくなっているが神様が私たちに使える治癒には制限があるということで完全回復はできていない。

損傷の完全治癒や不足した血液の回復などはミオさんによって治癒魔法がかけられ、コンさんとルンさんによって回復魔法が施され、『回復のパン』によって回復してきた。


今回は訓練ということで魔法を使わず、武器も普通の剣を使った。

そして、黒の地下迷宮でアンデッドと対峙した。

魔法を使えないという事は浄化ができない。

アンデッドとはいうが急所を破壊すればいい。

私はこのようなものにあまり恐怖感を感じない。

そのために防御魔法もないのに近づきすぎ、結果として多くの傷を負ってしまった。

痛みに鈍いというのも実はある。

それが判断を誤る原因にもなった。

そして最終的には俊敏さを失い、大きな傷を負ってしまった。

そのためにユーラ神様と武神ツルギ様に助けられて帰還したわけだ。


「恐怖を感じないのは反対に危険な事なんだよ」


ユーラ神様に指摘された。

すでに予想していたらしい。


「ご指摘ありがとうございます」

「また、明日からコツコツと訓練すればよい」

「はい、お願いします」


今回、恐怖心が弱いために魔法による防御がないのに直接体に攻撃を受けてしまった。

本来なら躱さなくてはいけない。

防御魔法の万能性がこのようなことに繋がったのを十分に反省しなくてはいけない。

明日からは攻撃を躱すことと魔法でない盾を使った防御に重点を置いた訓練が始まることになった。


夜、自室で休んでいるとノックの音がした。


「どうぞ」


リサさんが入ってきた。


「隆司君、大丈夫?私もあまり実戦的な戦闘関係は得意ではないけど地球での生活があれば当たり前よね。隆司君はこちらに来るようになって日が浅いのだからもっとゆっくり慣れればいいと思うわ。だから無理しないで。神様達が急いでいるのも気にはなるけど無理をしないことを約束してね」

「ああ、大丈夫だよ」

「その大丈夫だよという一言に昔から心配になることが多かったのよ」

「この大丈夫だよはリサさんや皆がいるから大丈夫だよということだから、本当に大丈夫だよ」

「わかったわ、何かあったら必ず私たちに言ってね」

「約束するよ」

「それじゃ、おやすみなさい。しっかり体を休めてね」

「ああ、おやすみなさい」


みんなに心配かけたな。

でもみんながいるから大丈夫だよ。

神様たちが急いで何かを準備しようとしているのは私も感じている。

それに従わなくてはいけないともわかっている。

しかし自分のペースも大事にして頑張らなくてはいけないな。

そう感じる。

明日からも頑張ろう。



お読みいただきありがとうございます。

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