162、迷宮での訓練(1)
迷宮で訓練
翌日の朝、ココ王国シズカ女王陛下とムサシノ王国アル国王陛下がムサシノ王国王都チヨダへ向けて出発された。
スルガ王国スプ国王陛下はカラン国の王都ニラキにカラン国王とともに向かった。
今日はツキ町に1泊する予定だ。
クレン司令官にイサ町までの護衛を依頼してある。
領都も後片付けが終わり平常に戻りつつある。
平穏だある。
都市間AGTの建設もあるが今は平穏だある。
しかし、平穏だとそれを打ち破ろうとするものが出るのが世の常でもある。
そしてここにも。
「おはようございます。ユーラ神様」
「タカシ君おはよう、今日の君の予定はどうなっているのかな」
「お供えが終わりましたので書類仕事、それから朝食で魔石の回収、AGT建設で昼食、午後もAGT建設と学校の造成のお手伝い。夕食後は書類仕事でしょう」
「午後、夕食前に1時間ぐらい時間をもらえないかな?」
「大丈夫ですが、何を」
「実は他の神様達とも話し合ってあるのだが、君はムサシノ王国一国とだけでなく他の国々ともかかわりを持ち始めている。カラン国を皮切りにこれからもこの流れは変わらないだろう。そうするとこれまで以上に多くの困難に遭遇することになる。ということで様々な場面を想定した困難に打ち勝つ力を養ってもらいたい。前に話した訓練用のダンジョンに行って訓練をしてほしい。これは君の言う神様ズの総意だよ」
「はい、そういうことですか。訓練はした方がいいのでしょうね」
「当然と言えば当然だな。今までに出会ったことのないような敵も存在するからな。毎日1時間ほどだよ」
「わかりました。お願いします」
「では16時に執務室で待っていてくれるかな」
「はい」
その後、予定通りに仕事を行った。
タカオ町までのAGTも6月中旬には開業できそうだ。
アキ町に向けてAGTの工事に着手した。
学校建設も順調だ。
16時、執務室でユーラ神様と落ち合った。
「では行こうか」
いきなり転移した。
荒涼たる台地。
10mぐらいの塔が建っている。
その入り口の横には一人の男性が・・・いや一柱の男神が立っている。
「待たせたな、ツルギ」
「いや問題ない」
「タカシ、紹介しよう。武神ツルギ殿だ」
「賢者タカシです。よろしくお願いいたします」
「うむ、武神ツルギじゃ」
「ツルギ殿にはタカシの戦いを見てアドバイスをしてもらう。いいかな」
「はい、わかりました」
「ではこの黒の地下迷宮に挑戦してみようか。心して挑んでくれよ」
「はい、がんばります」
そして、黒いプレートを掲げ、黒の地下迷宮の扉を開けた。
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