１６１、領都イチゲ開都式（１４）
爵位が新設された
「本当に大きなトラブルがなかったと言っていいのですか？」
「いいだろうな」
祝宴が終わり、執務室にはルルさんと４人の婚約者とクレン司令官とナリタ公爵が一緒にいる。
本日６時現在の警備の状況が報告されているよ。
傷害事件６件 ずれも酒の上でのものだ。
器物破損２件 上記に同じ。
窃盗事件３件 すべて逮捕済み。
その他小さないざこざ数件。
窃盗事件ではどうも窃盗団が王都方面から入ってきていたようだ。
今まで逮捕できていなかったのだがついに捕らえたということだ。
捕らえられた窃盗団のボスが何でこんなに簡単に捕まったんだと喚いている。
１時間に１回、領都内の監視をしているホウたちから報告が入っていたからね。
窃盗事件が起きた直後に犯人の逃げていく状況をすぐに衛士に伝えることができたよ。
証拠もあり、ほぼ現行犯状態だった。
国王陛下も驚くとともに喜んでいた。
窃盗団の１６人中１２人が捕まり壊滅状態。
後の４人が王都のどこにいるかしっかりしゃべってもらったよ。
拷問はしていないよ。
ちょっと怖い映像を楽しんでもらったら素直にしゃべってくれたよ。
犯罪者が悲惨な末路をたどるものだよ。
「相変わらずホラー映画が好きよね。ＤＶＤのコレクションも増えているようだし」
はははは、執務室の一角にコーナーができてしまった。
「そういえばこの世界にはアンデッドなんかはいるの？」
「伝説でしか聞いたことがないわ。ムサシノ王国にはいないはずよ」
「そうなんだ」
死なない存在と戦うのは疲れそうだよね。
ナリタ公爵の話だとハナガテ公国にはそのようなものがいるという。
似たようなことをアスカ神様から聞いたような覚えがあるんだよね。
封印されているらしいよ。
「で食べ過ぎによる体調不良者の状況は？」
「おおむね回復しつつあるわよ。招待客を中心にね」
「珍しいものを出すときは気を付けた方がいいということだね」
「それにしても皆さんよく食べたわよね」
「赤竜の一口ステーキが大人気だったわね」
「まあ、今日はゆっくり休んでもらおう」
「それがいいわね」
「それでは行こうか」
これから４人国王陛下にバギー車の贈呈だ。
マニュアルも作ったよ。
運ぶための台車も用意した。
「いや、まさか本当に頂けるとはね。大事にするよ。ありがとう、タケハヤ公爵」
スルガ王国のスプ国王陛下も大喜びだ。
「それでだが、昨日、ムサシノ王国国王、カラン国国王、ココ王国女王、スルガ王国国王で話し合ったのだが、タケハヤ公爵に対してカラン国、ココ王国、スルガ王国が名誉爵位を叙爵することが決まったんだよ。新しく「名誉爵」という爵位を新設してそれを授けることになった。神の遣いであるタケハヤ公爵に対して授けるなんというのは失礼な事だろうがどうだろうか」
「はい、大変に嬉しいことですがよろしいのでしょうか？」
「ムサシノ王国国王、カラン国国王、ココ王国女王、スルガ王国国王は神の加護を頂いており、お話させていただくこともあるのは知っているね。これは各国の神の御意志でもあるんだよ」
「そうですか。それでは謹んでお受けさせていただきます」
「よかったよ、受けてくれて」
また大変なことになってしまった。
そして、１月以内に各国を訪問することになったよ。
またこれで忙しくなるよね。
お読みいただきありがとうございます。
