159、領都イチゲ開都式(12)
まずは式典から。
挨拶や祝辞が長い人は必ずいますよね。
10時からの式典には会場へ国王陛下とともに行って、開都を宣言して、挨拶をすればいい。
皆様から祝辞を頂いて10時40分に終了。
直ちに特別会場へ移動。
7分前には到着予定。
国王陛下と婚約者と来賓の代表を伴っての行動になるよ。
ここでは魔動馬車を使う。
11時からの特別会場での式典も迎賓館の式典と同様だ。
祝辞は少なくなる。
11時35分終了予定。
国王陛下と婚約者と来賓の代表には魔動馬車で迎賓館に戻ってもらう。
特設会場の祝宴というかバーベキュー大会の開始の宣言は11時55分に行う。
迎賓館は12時ジャストだ。
ここの移動だけは転移で行うよ。
9時40分まで時間があるか。
今は8時10分。
あれは1時間あればいいよね。
それなら工房で・・・・・
できたよ、4台の特別製のバギー車。
私と精霊さんたちの渾身の作品だ。
速度制限と衝突防止装置と今あるシートベルトに加えてエアーバックを装備、風防で覆う範囲も増やしている。
自動メンテナンス付き。
整備ができる人材はまだここにしかいないからね。
ヘルメットも用意した。
念のために。
速度はリサさんやナリタ公爵とも相談して40kmに設定。
こちらアスカの人たちは地球の人たちよりも動体視力は優れているけどこれだけ速い乗り物には慣れていないと道の状況を考えてだよ。
周りの状況では自動的に制限速度が下がるようにした。
攻撃などから瞬間的に防御してくれる障壁結界も設置。
これは長く持たないけどね。
機能のてんこ盛りだよ。
お陰で魔力を最大限蓄えてあっても走れて曇りや日陰で30km、日光の下でも40kmかな。
夜間は20kmかな。
そのくらいで蓄えてあった魔力が切れてしまう。
魔力は空気中と日光でも補充しているけどね。
魔石からも補充はできるけど最大限蓄えるのには標準サイズの魔石が2個必要だよ。
少し燃費が悪いね。
あ、盗難防止装置もつけたからね。
さて、これを贈るのは今日の夕方だな。
お、時間だ。
「国王陛下お願いします」
「よし、行こう」
・・・・・・・・。
はあー、迎賓館での式典が終わったよ。
すみません。
開都宣言で噛みました。
皆さん、何事もなかったような対応、ありがとうございます。
挨拶は大丈夫でした。
今回も国王陛下の祝辞は10分オーバーしました。
他の来賓の皆さんが祝辞を短くしてくださいましたよ。
それでも5分オーバーです。
今、特別会場へと魔動馬車で急いでいます。
この分では2分前に到着かな。
あ、見えてきました。
さて、私だけでもステージに急がなくては。
おっと足が。
階段を踏み外してこけそうになったら支えれたよ。
『大丈夫?慌てないでね』
『ありがとう、精霊さんたち』
精霊さんたちによって恥ずかしい姿を会場の皆さんに見せないで済みました。
いつも支えてくれて本当にありがとう。
精霊さんたちだけでなくいろいろな人たちに支えられているよ。
その皆さんたちにも感謝だね。
こちら特別会場での開都宣言では噛みませんでした。
挨拶もばっちり。
こけそうになって支えられたのがよい方向に行ったのかな。
支えられていることを再認識したら楽になった。
だけど・・・
国王陛下の祝辞は5分オーバーしました。
来賓の皆さん、今回もごめんなさい。
今までも同じだから慣れていますか。
国王陛下は常習犯というか確信犯?
少し甘やかせ過ぎた私たちも悪かったと。
そうですか。
ご配慮ありがとうございます。
では皆さんは魔動馬車で迎賓館の方へお願いしますね。
さて、まずは15分後に祝宴というかバーベキュー大会の始まりだよ。
お読みいただきありがとうございます。




