157、歓待(2)
宿はどうするか。
「ではこちらでごゆっくりと」
「タケハヤ公爵様。申しわけありません私どもまで迎賓館に滞在させていただきまして」
ソウマ国のコオリ公爵を迎賓館の部屋へと案内した。
コオリ公爵はソウマ国の使節も兼ねて今回訪れていただいた。
ソウマ国の国王陛下の代理ということではないが国王陛下からの親書とお祝いを携えてきてくれている。
国王陛下への返礼品を忘れずに渡さなくてはいけないね。
迎賓館にはソウマ公爵とムサシノ王国内の宰相以外の5人の侯爵とムサシノ王国以外のコオリ公爵を含めた4人の公爵と1人の侯爵に滞在していただいている。
ムサシノ王国内の24名伯爵には領都内の護衛や使用人を置ける屋敷と言える高級住宅に滞在してもらうことになっている。
すでに6人の伯爵からこれからも別宅として借りたいという申し出を受けている。
ムサシノ国外から12名の伯爵には高級温泉旅館に滞在していただいている。
ムサシノ王国内の52名の男爵と34名の子爵には領都内の護衛や使用人を置ける住宅に滞在してもらう。
こちらは伯爵の滞在する住宅よりグレードが落ちるが十分に満足していただいている。
ムサシノ国外からの男爵12名と子爵10名には高級宿泊施設を準備した。
国内外の無爵位48名と平民46名には中級宿泊施設を準備したが中には爵位を持った招待客の随員としてそちらに滞在しているケースや領都内に住宅を持っているケースもあり空いてしまった宿もあった。
兎にも角にも招待客の滞在は問題ない。
招待客の食事も住宅を利用している方々には収納を使ったデリバリーを行っており好評だ。
これを商売にしたらいいのではないかとも言われたよ。
どうもその伯爵さんたちは自分も一枚噛みたいらしい。
共同で各地で組合を作ってやったらとか、かなり話が盛り上がっているようだ。
公爵さんたちも興味を持っているようだ。
招待客以外の宿泊施設も問題はないようだ。
食事の施設やAGTの利用に時間がかかるようになっているのは申し訳ないと思っているよ。
商業区もすごい人出だ。
トラブルも起り易く、衛士さんたちも大忙しになってしまっている。
一時金が必要かな。
招待客は領都見学ツアーで工房見学の後、そこから特別列車に乗って1周してもらったがその後に市民と同じ経験をしたいと列に並んで乗車した侯爵様や伯爵様が数人いたようだ。
将来的に自分の領内でも運行を目指したいようだ。
さてそのような2日が過ぎ、明日は開都式当日だよ。
お読みいただきありがとうございます。