156、歓待(1)
招待客が続々と。
「よくおいでくださいました」
「お久しぶりです。賢者タカシ=タケハヤ公爵様」
カラン国国王陛下が式典のために遠路訪れてくれた。
神の遣いの賢者に対してということで様付けではあるがどうも他国の国王からそう呼ばれるのは少しこそばゆい。
今回、ムサシノ王国国王陛下とカラン国国王陛下には領主館本館に部屋を用意した。
ムサシノ王国国王陛下には決まった部屋があるのだが。。。
毎日転移できたいるからね。
今回は公式ということで流石に馬車で王都から来た。
せめて魔動馬車と言ったら宰相に駄目だしされたらしい。
その宰相さんは王都で留守番だ。
代わりに娘さんがナリタ公爵に同行して来ている。
彼女はまだ王都の中級学校の2年生だ。
魔術師として優秀で飛び級ができるのだが学校生活を楽しみたいと言って飛び級はしていない。
秋からはイチゲ学園の中級学校への転学を希望していると王都の中級学校から連絡が来ている。
侯爵にも本館に部屋を用意してあるので彼女は案内もなく部屋に行こうとしたが制止した。
「駄目ですよ、公式ではちゃんと案内をしてもらわないと。自由にするのはそれからです」
「はい。賢者様」
「あ、ナリタ公爵様も案内を受けてください」
「あは、どうもここに来ると自宅にいる気分になってしまうよ」
三公爵の皆さんも専用の部屋を持っているんだよね。
カラン国国王陛下にも本館に滞在していただく。
領都内に王妃様たちが住んでいるのでそちらでもいいと言っていたが。来賓の他国の国王陛下を歓待するのにそうはいかないので本館に滞在ということにしてもらった。
王妃様と王女様たちも今日からはこちらに滞在だ。
約一名カレン王女は常時滞在しているというか、もうこちらに住んでいますけど。
役所に出されている住所が領主館になっていたよ。
ケルン王子は王都ニラキで宰相の伯爵とともに留守番だ。
後2名の国王は来られた。
ココ王国シズカ女王。
王都での賢者謁見の後の宴に乱入したクレ第二王子の母親だ。
会うなりクレ王子の件で謝罪された。
すでにクレ王子は王位継承権は剥奪され、ココ王国の地方都市の施設に軟禁されているらしい。
アル中の様で治療も行っているようだ。
王都には第一王子を残してきたので第一王女と第二王女を伴って訪れてくださった。
シズカ女王陛下一行にも本館に部屋を用意した。
もう一国がスルガ王国のスプ国王陛下だ。
まだ若い国王だ。
彼は妹のミヤビ王女を伴って訪れてくださった。
ミヤビ王女はスルガ王国の巫女だ。
彼女に付き添う女性は・・・・・・女神様なのか?
スプ国王陛下一行にも本館に滞在していただく。
本館にはムサシノ王国の王族・公爵・宰相の代理と他国の王族が滞在することにした。
その方が何かと都合がいいので。
お読みいただきありがとうございます。