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不思議なパン  作者: TKSZ
15/258

15 タカオ町

ミオさんの屋敷に着いた。

広い、大きい。

ヒカワ村の屋敷の3倍はある。

その中の一室をもらうことになった。

本館のミオさんの隣の部屋だ。

むささびの像を祀った。


「もう婚約が決まっているのだから一緒の部屋でもいいと思いません?」

「いや、それはまずいでしょ、節度のあるお付き合いを。。。」

「もう私に飽きてしまったの?それともヘタレというやつでしょうか」


そうです。

どうせヘタレですよ。

悪いですか?

ミオさんは肉食系?


「へへ、そこも魅力ですけど・・・・」

「はい?」


何か呟いて頬染めないでください。


「これからの予定を確認しましょう」

「予定ですか?」

「まず、今日の予定!ちょっと遅くなったけど、お昼ご飯!」

「はあ?」


屋敷の食堂に向かう。

温かいとろろそばと山菜の天ぷらだ。

刺身こんにゃく。。

ヘルシーだな。

お腹も落ちついた。


「それでは改めて、これからの予定」

「は、お願いします」

「神の遣いの公表と私たちに婚約発表。そしてタカシ様の公爵への叙爵。王都で行うから移動しないといけないわ」

「休みが終わりそうだけど」

「今日は一度、あちらの世界に帰ることをお勧めします。神託では状況が変わっているそうですよ。像も設置したからいつでもこの屋敷に来れますよね。ヒカワにも顔を出さないとね」

「そうですね。わかりました」

「コンのところにも行ってよね」

「了解した」

「王都に行って公爵に叙爵されたら王宮内に部屋がもらえるからそこに鳳凰の像を祀るといいわ。神の遣いがその部屋に転移してくるのは公表されるから。部屋には結界もかけなくてはね」


私の世界でのスケジュールを確認してから王都での予定も決まる。

でもゴールデンウィークまで連続休みは取れないよ。

ミオさんは大丈夫と笑顔で答えてくれた。

何か知っているの?

私の世界の結婚相手との関係?


タカオ町を見学した。

タカオ町は人口2万人。

町長はミオさん。

リゾートの町。

貴族や富豪の別荘が多い。

そして教育の町。

学校が多い。

全寮制の様々な分野の学校がある。

魔法学・医薬学・農林畜産学・政治経済学・商学・工学など。

町の門あたりで騒ぎが起きている。


「どうしたのですか」


ミオさんが門番の衛士に尋ねる。


「姫様、カラン国の王子と名乗る方の一行ですが身分証を提示していただけず揉めております」

「説明はしたのですよね」

「はい、何度もしておりますが理解していただけません」

「はあ、ここは町長の私が対応しましょう」


ミオさんが言い争っている間に割って入った。


「なんだお前は。このカラン国クク男爵の前を遮るとは失礼な奴だな」

「よろしいでしょうか。私はこの町の町長でムサシノ王国第一王女、ミオ=ムサシノと申します。この町ではどの方にも町に入るとき身分証を提示し頂き、魔法道具で記録を取っております」

「う、こちらはカラン王国第二王子、ガガ=カラン様だ。そのような扱いは外交上も失礼ではないか」

「ムサシノ王国では町や都市に入るときは身分証を提示することはこの国に入国した時に身分証が渡されれ説明が行われているはずです。それも含めて我が国の規則を守ることが入国の条件になっています」

「我々にはそのような規則は通用しない。外国の王族にもそのような態度とんでもないことだ」

「以前、カラン国の現国王クオン様や第一王子ケルン様がいらしたときも身分証を提示していただきました、ムサシノ王国の王族が町の入るときも身分証の確認はあります」

「うぐ・・」


横暴な男爵だ。

よく入国できたな。


「クク男爵、少し待て」


馬車から派手な衣装を着けた男が出てきた。


「これはミオ王女様。私はカラン王国第二王子、ガガ=カラン、この顔が身分証の代わり、これで私たち一行を町に入れてくださいますね?」

「私たちはあなたの顔を知りません。身分証の代わりにはなりませんよ。それに一人一人に身分証をは提示していただきます。不審人物が紛れ込んでいると困りますので」

「なに、私の顔を知らないですと。私の絵姿は国中に配布してあるはずだ」

「それはカラン国のことですよね。衛士でその絵姿を見た者はいますか?この方がガガ王子だとわかる衛士はいますか?」


ムサシノ国の衛士は誰も反応しない。

カラン国の第二王子はかなり頭が悪いのでは?


「なんだと。王女殿は私の絵姿を見たことがあるはずだ。こちらの国のドタ伯爵を介して見合いの絵姿を送ったはずだ。私は貴方を妻として迎えに来たのだ」

「はあ、ああ見合いの紹介はあったけどついていた絵姿は貴方の姿と全然違うわね」

「「「ぶっ~」」」


衛士や近くで様子を伺っていた人々が噴出した。


「それに見合いはすべてお断りしています」

「いや恥ずかしがって。姫もかわいいな~」

「はあ~」


ミオさん、お怒りモードだ。

私はミオさんに腕を掴まれた。


「私のこちらにおられます、タカシ様の婚約者です」

「なに、そんな話聞いていないぞ、タカシとやら無礼打ちにしてくれよう」


何かこの王子様一人で切れているよ。

ミオさん王宮での発表前に婚約を公表してよかったの?


「無礼は貴方の方です。タカシ様は神の遣い・賢者です」


え、ここで公表?


「うるさい、切ってしまえ。姫は連れて帰るぞ」


え~どうする。

王子の配下が剣を抜いたよ。

まず振るってきた剣を障壁で防いだ。

かなり障壁の技術が向上した。

さあ、正当防衛だよね。

一応、町長さんに確認。


「正当防衛として、無力化してよろしでしょうか」

「タカシさんお願いします」


拘束障壁結界がいいか?

防御の障壁も5つ展開して周囲が巻き込まれないように結界も5つ展開しているから、ばらけている20人を一度には無理か。

まず、王子と男爵とその配下10人にそれぞれ、拘束障壁結界を施す。

無力化しよう。

拘束した敵にかわいそうだけど狩猟魔法の弱電撃をかける。

覚えたばかりの獲物を生け捕りするための魔法だ。

これで痺れて動けなくなる。

死なないよね?

心臓の悪い人はいないよね?

無力化した敵の拘束障壁結界を解除して残りの敵に拘束障壁結界と弱電撃。

無力化完了。

近くの意思を変形して手錠にする。

かなり重い手錠だ。

カギはない。

この手錠を破壊できる魔法道具を衛士の責任者に渡した。

巻き込まれた人がいないか確認して。。。

終了-ミッションコンプリート。

一度言ってみたかった!


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