表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議なパン  作者: TKSZ
149/258

149、魔獣の洞窟(12)

魔石を狙って

『サガ町に魔石を運搬している商人の馬車が盗賊に襲われています。偽装したエチ国軍兵です。場所はカタクラ村の南の街道です』


ホウからの一報が入った。

ちょうどクレン司令官が来ておりイサ町からの帰還の報告を受けていたところだ。


「クレンさん、皆さん、盗賊退治に行きますよ。武器を出して戦闘態勢をとってください。リサさんはカタクラ村の衛士に連絡を。場所はカタクラ村から街道を南に行ったところです」


長剣をと思ったけど、伸縮警棒を出す。

最近、洞窟でいっているから長剣の方が使い慣れているなあ。

殺傷力が半端ではないけどね。

クレン司令官と副官と隊長格の騎士4人とともにカタクラ村の南に転移した。

そこから馬車が襲われているのが見えたよ。

馬車の護衛は二人。

かなり傷を負っている。

商人は二人か。

盗賊は20人はいるな。

一人はエチ国の商人か。

馬車の近くまでクレンさんたち6人と再び転移する。

馬車と盗賊の間に割って入る。

警棒の拘束魔法で4人を拘束。

クレンさんたち6人も瞬く間に盗賊6人を無力化、残りは10人だ。

頭に浮かんだ言葉を唱える。


『精霊さんたちお願い』

「精霊魔法スタン」


8人の盗賊が崩れ落ちた。

麻痺したんだよ。


少し離れていた商人と側近が逃げ出したよ。


『精霊さんたちお願い』

「精霊魔法風の手」


風が見えない手となって逃げだした二人を捕らえてこちらに引き寄せる。

そして伸縮警棒の拘束魔法で縄を打つ。


『精霊さんたちありがとう。お礼は後で』

『帰ってからでいいよ。それより監視に気を付けて』

『ありがとう』


近くの藪に監視がいるのはわかっている。

間者か?

二人だな。

毒が塗ってあるナイフを出したよ。


カキーン。


拘束されている商人にナイフが投げられた。

障壁を張ってナイフを処理する。


『精霊さんたちお願い』

「精霊魔法風の手」


二人の監視を捕らえてこちらへ引っ張ってくる。

クレン司令官が縄をかけようと近づいた時。

まずい。

クレン司令官も前に転移して障壁を張る。


バーン。


魔法による自爆だ。

魔力の流れで分かった。


クレン司令官は無事だ。

他の盗賊や騎士たちもかすり傷程度だ。

監視の二人は跡形もない。

男か女かもこれではわからないな。

一瞬の鑑定でエチ国の諜報部所属の男とはわかったのだが。

証拠のナイフは毒が付いているので慎重に容器に入れた。

商人を護衛していた二人に治癒魔法をかける。

かなりの深手だ。

治癒魔法で怪我はなくなった。

『回復のパン』を食べてもらう。

馬車の中の商人は傷もなく無事だ。

盗賊たちは爆風でのかすり傷や騎士たちが無力化した時の傷がある。

全員が縛られていることを確認する。

魔術師の二人には魔法発動無効化の魔道具をつけたよ。

怪我をしていると連行する時に不便だ。


『精霊さんたちお願い』

「精霊魔法簡易治癒」


20人まとめての簡単な治癒魔法だ。

こちらの副官と騎士の爆風によるかすり傷には丁寧に治癒魔法をかけたよ。


カタクラ村から衛士が駆けつけてきた。

現場検証と盗賊の連行だ。

商人たちからは簡単な事情聴取。

この輸送がどこで漏れたのか。

今回のサガ町への輸送は商業組合が行っている。

サガ町の商業組合で魔石の卸を行うためだ。

待っているだろうから急ぎたいな。


「クレン司令官。一緒にお願いします」


商人2人と馬車と積み荷と馬2頭と護衛とクレン司令官と私でサガ町の門の前に転移した。

門番が腰を抜かしているよ。

でもすぐ私とクレン司令官に気が付いた。

優先的に町に入れてもらい、商業組合に行く。

商業組合には魔石の到着を待つ人たちが大勢いたよ。

後はそちらに任せて。

魔石の一部はさらにここから南のカタクラ領へと運ばれる。

この荷物が狙われたのは量が多かったからだろう。

転移で襲撃現場へ戻った。

現場検証もちょうど終わったところだ。

すでに襲撃者はカタクラ町の勾留所へ連行されていった。

監視者によって「消され」そうになったことに全員がショックを受けているようだ。

簡単に自供しそうだということだ。

しかし、エチ国は卑劣だね。


騎士の4人は襲撃者の護送に同行してくれるようだ。

気を付けてと言ったら危なかったら賢者様が駆けつけてくれるでしょと笑いながら言われたよ。

はい、気が付けばいつでも駆け付けます。


クレン司令官と副官の二人を伴って領主館へ戻った。


「しかし、タカシ様は規格外というか。以前からそうでしたがさらに強くなったのではありませんか。精霊魔法ってすごいですね」

「まあ、やり過ぎないようにはしていますから」

「いやいや、どうぞ活躍してください。私たちはそれも付いて行きますから」

「いいえ、皆さんが手伝ってくださらないと何もできませんよ」


皆さんの協力で順調に進んでいることはわかっているんですよ。

ホウには一層の警戒の強化をお願いしたよ。

精霊さんたちに『魔法のケーキ』をあげながら少し休憩です。



お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ