142、魔獣の洞窟(5)
食材がいっぱい。
たも。
たも網と言った方がわかりやすいか。
釣りで魚を引き上げる網ですよ。
『魔獣ホイホイ』から黒魔石と素材を回収したところでたも網を持っていることに気が付いた。
領都の北を流れる川で魚を獲れないかなと言ったらコンさんが用意してくれた。
魚の養殖をしているカタクラ村には、たも網づくりの名人がいて他の町にも出荷されているとのことだよ。
柄の長さが2m、網の部分が60cm径だ。
魔法付与で軽く扱えるようになっている。
網には不壊の魔法が施されている。
これなら水中に落ちそうな魔石をキャッチしたり、あまり深くないところの魔石なら拾えたな。
普通の魚介類も手に入らないかな?
近くの磯に行ってみたよ。
入り組んだ水路になっているところを見ると魔獣以外の魚や貝や海老がいるのが見えた。
たも網ですくってみると面白いようにすくえた。
種類を増やしたくってちょっとずるをしたけど。
夢中になっていたら40分ほどが過ぎてしまったよ。
橙の洞窟におけるこの1時間半での成果は初めの魔獣も合計すると。
外の魔獣は海老30、蟹18、烏賊12、蛸12、魚40、イセエビ24、トド5、アシカ3、アザラシ2、帆立8、鮫3。
黒魔石を鑑定した結果、種類がわかった。
全て『魔獣ホイホイ』で捕らえて解体済みだよ。
黒魔石は初めに捕らえたものも合計して157個になった。
鶏卵大が144個、こぶし大が13個。
トド、アシカ、アザラシ、鮫の黒魔石がこぶし大だった。
標準サイズに換算すると510個相当だね。
橙魔石はソフトボール大15個、こぶし大10個、鶏卵大10個だ。
標準サイズに換算すると390個相当。
合計900個相当か。
そんなになるのか?
ソフトボール大は1個で標準サイズの20個分だからね。
海からの魔獣も多い。
豊かな海ということかな。
ところでこの橙魔石は光属性の魔法を150%強めることが判った。
照明にいいね。
さて、磯ですくった普通の魚介類は、毒のないものをすくってきたよ。
ちょっと精霊さんたちに頼んで沖からも集めてもらって水路に誘導してもらったけど。
水路にたも網を入れて置いたら自分たちから入ってくれたよ。
イワシの仲間163、車海老の仲間123、ハゼの仲間84、アジの仲間12、タイの仲間6、ワタリガニ3、キスの仲間21、カサゴの仲間12、アイナメの仲間23、メジナ2、カジカの仲間2、ゴチの仲間2、ウツボ1、タコ3、トコブシ6、サザエ12、アワビ4、岩ガキ12、イセエビ3、ウニ48、ホタテ32、アオリイカ8。
貝類や錬金と錬成の腕輪の漁業魔法で集めた。
そしてマグロ1、カツオ2、ブリ2、サバ3、サケ6。
マグロは小さかったけどね。
しかし、南の魚も北の魚もいるって不思議なところだね。締めていない魚は収納に入れられないなあ。
魚を締める魔法道具を大至急作ったよ。
貝類はどうする?
漁業魔法を使ったら処理ができてしまったよ。
締める魔法道具はいらなかったかな。
漁業魔法は便利だな。
精霊さんたちのお願いしなくても沖から魚を集められたのかな?
精霊さんたちに『魔法のケーキ』をあげながらそう思ったよ。
また、食材集めに来たいね。
お読みいただきありがとうございます。




