14 高尾山
高尾山は大好きです。。。
一晩で2斤のパンを焼いた。
魔法樹の実のジャムを練りこんだ。
1斤を20等分にする。
山形だから同じ大きさにはならないか。
1つ食べてみる。
鑑定は・・・・
できない。
まだ条件が揃わないか?
ロク様の話だと私の世界で初めに使えるようになる魔法は鑑定だと。
もう1斤は10等分にして5つを冷凍・5つを冷蔵した。
昨日まで持っていたクルミパン3切と新しく焼いたパン19切れを持ってヒカワ村の屋敷を訪問。
昨日、帰還する前に寝室に鹿の像を祀ってある。
ヒカワ村の屋敷で塩の出来具合を確認する。
鑑定で品質・衛生上の問題はないことを確認できた。
できた塩はミネラルが多い塩だ。
できていたのは一つ目の鍋の600g強。
200gの袋が3袋。
一袋を厨房に一袋を村長宅に持っていく。
1日に3kgの塩が生産できる見込みだ。
朝食を食べてからまた出かけると伝える。
一度自宅に戻ってから高尾山に向かう。
南大沢から橋本・八王子で乗り換え。
高尾から歩いて高尾山口に向かう。
さて、どのコースで登るか?
やはりいつものコースだろう。
ケーブルカーやリフトはあまり使ったことがない。
登りは琵琶滝から1号路に登るコースだ。
多種多様のスミレは高尾山の楽しみだ。
今日は滝行は行っていないな。
谷から尾根に登る九十九折りのコース。
尾根からの展望も楽しみにして登る。
そういえば、薬草茶がもうなくなりそうだ。
買っておくかな。
かりんとうも買っておくかな。
そろそろ尾根だ、人の声も聞こえてきた。
出たところは町の入り口だった。
これがタカオの町?
町の入り口には門があり、衛士が警備している。
通行する人物は身分証を見せて入って行く。
身分証明書は持ってないな。
ヒカワ村の名誉村民になったのだから発行してもらえばよかった。
ミオさんからもらった指輪が身分証明書代わりになるかな?
「タカシさん」
「はい」
目の前にミオさんがいた。
「ようこそ、タカオ町へ。歓迎します。お待ちしていました」
「ありがとうございます。でも偶然ですね。こんなところでお会いできるとは」
「いいえ、偶然ではありません。神託がありました。タカシさんが見えられるから社まで案内せよと」
「神託ですか?」
「はい、では社までご案内します」
「あの、私は身分証を持っていないのですが」
「大丈夫です。王都でタカシさんの身分証を用意しました」
「王都でですか?」
「はい、この間の活躍について評価し、私が保証人ということで王宮が身分証を発行しました。ですからヒカワ村の屋敷も手に入れることができたのですよ」
「そういうことですか」
「ではこれをお持ちください」
金色のカードが渡された。
同時に魔法が詠唱された。
カードは受け取った瞬間輝いた。
「これで登録が完了です」
「登録ですか」
「はい、登録の魔法を行使しました。このカードは王族に準じる身分を保証するカードですので私のような王族でないと登録の魔法を行使できません」
「え、私に王族に準じる身分証ですか?」
「そこら辺の事情は社でお話ししましょう。まずは町の中に入りましょう」
町に入る門を守る衛士は事前に知らされていたのか、私たちの姿を見ると深々と頭を下げた。
スマホのようなカードにかざして魔法道具をかざして入町を記録する。
「町内へ入った記録を町に残すとともにカードにも記録を残しています。貴族・王族でも同じです。ご了承ください」
衛士の態度は丁寧だ。
「ここまで厳しいのは王都とタカオ町など数か所だけどね。おかげでこの町の犯罪は少ないよ」
ミオさんが説明してくれた。
「身分証がないとどうなるのですか?」
「鑑定にかけられたり他の村や町などに連絡したりでは入れるまで時間がかかる」
「大変なんだね。身分証の代わりになるものはないのかな」
「はい、この身分証は50m以上離れると自分のところに戻ってきます。なくすことはありません。破壊されない限り。外国の方も入国の時に発行します。持っていない人はいないのです。だから、私がタカシさんの身分証を作りました。神託でもあります」
「王宮には私の素性はわかっているということですか?」
「その点も後程」
門を入ると馬車が待っていた。
馬車。。。
那須塩原で観光馬車に乗って以来だな。
水牛車には西表島で乗ったけど。。。
箱馬車というのか。
シンプルだけど良いデザインの内装だな。
社は馬車で15分ぐらいのところにあった。
本殿に導かれた。
ミオさんと本殿に入ると結界が構築された。
『タカシさん、ようこそ。これでここをあなたの世界から訪問することができますよ』
『はい』
『ヒカワ村では妹たちが一方的に伝えるだけだっと様で申し訳ありませんでした』
『問題ありませんよ』
『ありがとうございます。これからいろいろ依頼しますけど、よろしくお願いします』
『依頼ですか?』
『神の遣いとしてこの国と周辺を変革てもらいます』
『差別をなくし、平和で民が幸福に過ごせるようにしてもらいたいと思います』
『具体性に欠けますね』
『まずは王族と貴族の意識改革ですね。そのために神託でタカシさんを王族の中に受け入れるようにお願いしました』
『うん~』
『まず王族や貴族にあなたの力を示し、主導権を握ってください。賢者として尊敬されるように』
『できる範囲でとしか言えませんが』
『あなたの世界から使える文化・文明をうまく導入してください。十分注意して』
『こちらが忙しくなると元の世界の仕事が困りますね』
『あなたを助ける人物が現れますよ。ではがんばってください』
「お話が終わったようですね。お聞きになったでしょうがタカシさんには王族とかかわりを持っていただきたいと思っています。神様のお考えであり、王宮つまり現国王の考えでもあります。私も大賛成です。タカシさんはご自分の世界とこちらでと多忙になるでしょうが、私がこちらの世界では妻の一人としてしっかりと支えていきますのでよろしくお願いします。タカシさんの世界の奥様もあちらは任せてくださいということでしたから大丈夫ですよ」
「ちょっと待った~。。。。妻の一人って何ですか?私の世界の奥さんって私は結婚していません」
「はいこの世界は一夫多妻です。女性のが男性3倍いますから。王宮でもタカシ様に王族にかかわりを持っていただくなら王女の誰かを妻に迎えるのがいいということでしたので、すぐ私が立候補させていただきました。タカシさんの事は王族の中では私が一番理解しています。私などではご不満でしょうが、ぜひ私をお側においてください」
「ミオさんのような素敵な方が結婚してくれるのはうれしいけど。でもまだ会って数日ですよね」
「はい、リアルでは数日ですが、夢の中でお姿を見ておりました。ヤリミズでは初めて出会ったように装いましたけど、すぐタカシさんだとわかりました。ごめんなさい。こちらは夜になるのが早いのでタカシさんが学校や会社から帰られてのことが多いのですが、昼寝した時には職場や学校での様子も見ました。タカシさんの様子を見るのが毎日の楽しみでした。あ、女の人の写真が多い本のことは気にしません。昔の恋人とのことも。あ、これは内緒にするように神様に言われたんでしたっけ」
ミオさん恐るべし。
睡眠学習 刷り込み。
最後はストーカーですよね。
神様の陰謀だよね。
何年計画?
私の生命力が削られる。。。
「そう言えば『妻の一人』といいましたよね」
「はい、神の遣いが一種族とだけから妻を迎えれば混乱が生じます。エルフ族・獣人族・ドワーフ族・人族から妻を迎えるのがよいととのことです。すでに候補は決まっています。後はタカシさん次第です」
「私の世界でも結婚するということ?何かミオさんが私が結婚する相手と会ったことがあるみたいですけど」
「はい、夢の中でタカシさんをみんなで見ているときに会ってお話をしました」
はい、ストーカーはミオさん一人ではありませんでした。
「みんなって?」
「コンさんとルンさん。後こちらの人族の方とタカシさんの世界の方については内緒ですわ。会うのを楽しみにしておいてください」
はあ、結婚は決定事項?
逃れることはできないということですよね。
神の意志?
陰謀?
「私との婚約は了承していただけますよね!」
「・・・お任せし致します」
「私たちを大事にしてくださいね!」
逆らえそうもない。
完全に尻に敷かれるな。。。
私のすべてが掌握されているようだ。。
これはハーレムではないかも?




