137、領都イチゲ開都式(10)
開都式に向けての準備が変な方向へ
次に青い魔石だ。
「これを見てください」
「え、これは・・・・魔石ですか?」
「そう、青い魔石です」
「青い魔石ですか。黒以外の魔石の存在は伝説では存在しますが、本当にあろうとは」
「この魔石は水属性の魔法を150%強化します。他の魔法に関しては黒い魔石と同じですが」
先程の実験について説明した。
実際に見てもらった方がよいので実験室に移動して見てもらう。
実際に確認して納得してもらったよ。
「タカシ様の話では黒と青以外の魔石も入手できるということなのでしょうか?」
「はい、大丈夫でしょう。量も十分にあると思います」
「魔石の価格は利用価値と希少性で決まります。量が確保できるのなら希少性は下がってきます。強い魔法が発動できると利用価値ですね。ただ特定の属性に特化するとなるとどうでしょうかね。黒色の魔石の1.4倍という価格でしょうか。
いかがですか」
「それではその価格で供給しましょう。他の色の魔石も確認して量を確保します。黒い魔石は明日にはそちらに渡します。色付きの魔石は明後日からでいかがですか」
「ではそれでお願いします。明日のこの時間にまた来させていただきます」
「いや明日は私がそちらへ行きましょう。量もありますから」
「ああ、タカシ様の収納は大きかったですよね。ではお願いします。こちらは急いで販売方法について終始徹底と書類等の用意をします」
「お願いします。こちらは買取について各町村へ連絡しましょう。それから領民への発表もすぐに行いますよ」
将来的に魔力の供給は日光や空気から得たものを充魔力の魔法道具に入れる方式を今より普及させて領民に安定供給したいということも伝えた。
それには影響を受ける業者の保護と対策が必要なのだが。
簡単にいかないのでまた協議することになった。
「悪いね、みんな」
私の執務室にルルさんとリサさんとセルさんがいる。
書類の処理と新しく魔石関連での書類作成と連絡をしてくれているだ。
セルさんにも報酬は支払っているよ。
リサさんには領主代理になってもらっている。
魔石確保のために書類仕事から逃げました。
申しわけありません。
さて、工房に移動する。
マリさんとカレンさんも一緒だ。
魔石を標準の大きさに分割する魔法道具と魔獣の自動的に解体する魔法道具を作る
魔石を標準の大きさに分割する魔法道具は7台工房に設置した。
色ごとに分けて作業を行う予定だよ。
分割された魔石が収納の容器に入るようにしてある。
これは身に着けてなくても使える収納の魔法道具だ。
魔石専用でディスプレイでタッチ操作ができる。
あ、使える人を特定したセキュリティも施したよ。
魔石を標準の大きさに分割する魔法道具はソフトボール大の魔石を標準サイズなら15秒、こぶし大なら10秒、鶏卵大なら5秒で分割できるよ。
完成した魔獣の自動的に解体する魔法道具は6台を収納に入れる。
これは洞窟のある場所に小屋を作ってそこで使用する。
魔獣の自動的に解体する魔法道具は1分で1体を解体できるよ。
さて次だ。
トカゲの内臓を取り出す。
この内臓から錬金術で魔獣を臭いで引き寄せる物質をつくる。
効率よく魔石を集めるためだ。
工房でも臭いが漏れない特別な部屋に外部から操作ができる特別な作業容器が用意してある。
まるで簡易ドラフトチェンバーだね。
いや、排気はしないからグローブボックスか?
この作業はマリさんとカレンさんに行ってもらった。
できた物質を15個の密閉容器に納めた。
その作業と並行して解体した魔獣の素材を入れる容器も大量に製作した。
どれも大容量だ。
それから武器。
槍と長剣を2本ずつ。
さて、魔石確保にお出かけだ。
開都式成功のためにもこの2日で魔石の問題の応急処置はしないといけないよね。
ではまず青い魔石の洞窟だよ。
お読みいただきありがとうございます。