134、領都イチゲ開都式(7)
ちょっと洞窟の下見を。
さて、ちょっとだけ洞窟というのを見てみるかな。
赤・青・緑・橙・紫の5枚のプレートの一枚のプレートを取り出す。
青いプレートだ。
何の金属かはわからないな。
プレートに対して念じると一瞬にして転移した。
草原だ。
魔力が濃いな。
そして目の前に直径6mぐらいの円形の竪穴がある。
垂直というわけでもないね。
入り口は岩が組み合わさった感じだな。
入り口が崩れる心配もないか。
足場になる場所もあるようだ。
強度は大丈夫か?
鑑定の結果、大丈夫だとわかったよ。
足場になる場所以外に深さで3mおきぐらいに広場のようなスペースがあるようだ。
まずはあそこまで下りてみるか。
慎重に足場を使って下りてみる。
ここなら外の光でまだ明るい。
周囲を鑑定すると、この広場の壁にはすでに魔石がある。
大きさはこぶし大。
そして色が青。
ヒカワ村の鉱山では大きくてニワトリの卵大だよね。
そして私がアスカで見てきた魔石は全て黒だった。
見上げると穴の入り口付近にもニワトリの卵大の魔石があるのがわかった。
この洞窟の壁にある青色の石は全て魔石だったよ。
これなら肉眼で探せるね。
下の方は光の届かない。
照明が必要か。
魔力はわかるからそちらで。
気配察知で魔石を調べると下の方に行くほど魔石が大きくなるのがわかったよ。
とりあえず近くの壁から魔石を2つ採取した。
伸縮警棒で近くの壁を突くと簡単に魔石が壁から外れた。
収納しておく。
さて、気配察知で判った。
2つの魔力の塊が穴の奥から登ってくる。
体長は2mぐらいか。
形もわかってきた。
トカゲのような形だな。
来た。
青いトカゲだ。
1匹がこちらに駆けてくる。
魔力点はどこだ。
おっと危ない。
とりあえず心臓付近を伸縮警棒で突く。
あまり反応がないか?
迫って来たトカゲを障壁で防ぎ、上方に弾く。
トカゲの体が浮き、洞窟の入り口に達した瞬間、トカゲの体の中心が青く光り、体が崩れて光ったところに集まった。
そして青いソフトボール大の魔石が落ちてきた。
魔力点は体の中心か。
伸縮警棒で突く。
弱いか。
単純な攻撃魔法がないからな。
よし、狩猟魔法で。
錬金と錬成の腕輪の狩猟魔法で石の矢をトカゲの中心辺りに飛ばす。
背中から矢に貫かれたトカゲが消え、青い魔石が残った。
トカゲの魔石を収納に入れて、入り口のすぐ外へ転移する。
転移には問題がないようだな。
入り口から5m離れた所に塀で囲いを作り、その中に小屋を作った。
結界の魔道具を設置して魔獣が塀の中に入ってこれないようにした。
洞窟の魔獣は来ないがこのあたりには普通に魔獣がいるからな。
おっと、ちょうど1匹来たよ。
またトカゲだ。
これも体長が2mぐらいか。
背中から体の中心を石の矢で貫き倒す。
消えないな。
当たり前か。
狩猟魔法の解体で皮・肉・内臓・脳・眼・血液・魔石に分ける。
皮は少し状態が悪いな。
今度は倒し方を考えた方がいいな。
皮は防具や衣類に使えるようだ。
肉は食べられると鑑定できた。
美味しいようだ。
内臓・脳・眼・血液は錬金や製薬の材料になるようだ。
これらは容器に入れてある。
容器を持ってきていてよかったよ。
魔石は黒色のニワトリの卵大のものだった。
ムサシノ王国さんよりは格段に大きのだが。
そう言えばムサシノ王国にいるトカゲは体長1m程度と聞いていたけどね。
おっと1時間も使ってしまった。
朝食の時間だよ。
急いで帰るか。
食堂にはすでに皆さんが集まっていた。
少し遅れた理由を話したよ。
驚いているね。
さて、魔石問題の対処は作戦変更かな。
お読みいただきありがとうございます。