133、領都イチゲ開都式(6)
ダンジョンもどきの洞窟がある。
眠い。
昨日は少し頑張りすぎたかな?
朝の日課、神様へのお供え。
アスカ神様何か。
「昨日は遅くまで頑張ったようだな」
「はい、ご存知でしたか?」
「うん、魔石の事だろ」
「はい、魔石が沢山手に入れば何も問題はないのですが。計算通りいけば大丈夫だと思いますよ」
「でもあった方がよいだろう」
「それはその方がいいのですが、この辺は魔獣も少なく、魔石の採掘できる鉱山も限られていますからね。それに枯渇するほど採掘するのは採掘で生計を立てている人たちが後の生活に支障をきたすのが心配です」
「ちゃんとわかっているな」
「はい」
「だが、公爵として在庫がなくなると困るであろう」
「そうですね。そうなると魔動AGTの方も遅れそうです」
「なら、需要に見合った魔石を入手しておいた方がよいな」
「あるのですか?」
「この世界は人の住む地域はムサシノ王国を中心に半径2000kmぐらいだというのは知っているよな」
「はい、以前に聞きました。その外は魔力が強すぎて人の定住して生活には支障があるということですよね」
「その通りだ。その一方で魔獣も多い。そしてタカシの世界のゲームに出てくるダンジョンの様な洞窟が存在する」
「そうなのですか」
「ああ、そしてそこに存在する魔獣はその洞窟に集まった魔力が魔獣の形をとっているものだ。魔石を体内に持たないが魔力点という個所を武器で破壊すると全身を作っている魔力が一か所に集まって魔石になる。さらにその洞窟では良質な魔石も採掘できる」
「へえー凄いところがあるんですね。ダンジョンコアとかあったりして」
「いやあくまでも魔力が集まった洞窟だ。魔石が採掘できて、魔石になる魔獣がいるだけだ。ドロップアイテムなんてものもないし、ボス部屋とかも存在しない。道とか階段とか扉もなく、当然安全地帯もないぞ」
「転移はできるのでしょうか」
「大丈夫だ魔力が強いからな」
「行ける人物は限られているかな」
「タカシと婚約者達は大丈夫だな。マリとカレンの学者たちも大丈夫だろう」
「しかし遠いですよね」
「これを与えよう」
「この5枚のプレートは?」
「5カ所の洞窟の入り口の前に行ける転移道具だ。一緒に転移する仲間を考え、プレートの指し示す場所に転移する念じれば転移できる。帰ってくるのはタカシの能力やタカシの作る魔法道具で対応できるだろう。言い忘れていたがここで手に入る魔石は大きいがタカシなら簡単にこちらで流通している魔石のサイズ分割できるだろう」
「そうですか。では1回行ってみますか」
「洞窟探検の装備を用意していくとよいぞ。人がいない地域だから気をつけてな」
「ありがとうございます」
お読みいただきありがとうございます。




