13 ヒカワ村
神頼みはほどほどに!
昼食までの間、ルンさんの案内で村の工房を見て回る。
漬物の工房にはわさび漬けもあった。
野沢菜漬けのようなものや沢庵も。
燻製の工房にはハムやウインナソーセージ。
魚の燻製も。
ハムは熊のハム・猪のハム・シカのハム・ウサギのハム・キジのハムなども。
カエルの燻製・ヤマメの燻製・イトウの燻製。
そしてドラゴンの燻製!
アースドラゴンというが全長5mの大きなトカゲ?
大蛇の燻製!
全長10mのニシキヘビ?
二日ぐらいかかる山奥に行かないと狩れないようだ。
ジャムの工房もある。
興味深いものがある。
魔法樹の実のジャム。
魔法力を高める効果がある。
『魔法のパン』に練りこんだらどうかな?
買ってみた一瓶で銀貨1枚。
2瓶購入。
鉄貨1枚が10円相当
鉄貨10枚で銅貨
銅貨100枚で銀貨
銀貨10枚で金貨
金貨1枚10万円相当
この前にもらった金貨の報酬は1000万円相当。
武器はいろいろある。
剣・槍・弓・斧・槌など
刀もあった。
打刀。
武器はいらないか。
武器を持って人を傷つけるのに慣れると地球で暮らせなくなってしまう不安がある。
相手を傷つけず無力化できるのがいい。
これからも地球で生きていくつもりだから。
防御優先。。。
盾はいるか?
障壁がある。
鎧は?
自分の魔法で必要なものを作るか。
ヒカワ村は村にしては大きい。
まもなく町に昇格する予定だとか。
ルンさんは町長になるのか。
村の中心には組合事務所がある。
ファンタジーのギルド?
狩人組合・採集組合・商業組合・生産者組合・医薬組合・雑用組合・使用人組合。
様々な依頼の斡旋。買取。情報提供。
生産者組合には農林畜産漁業工業などが。
傭兵ギルドや冒険者ギルドはなかった。
護衛?
町の警備隊に依頼する。
もちろん有料。
村役場に着いた。
村の人口は2500人。
非居住者が概ね300人ぐらい。
商人や王都から派遣されている衛士、出稼ぎの狩人・採集者・鉱山労働者・その他。
自分は?
名誉村民になった。
村役場の顧問ということだ。
いつの間に。
狩人組合・採集組合・商業組合・生産者組合・医薬組合にも登録することになった。
村長宅の裏手に社があった。
まだ帰らないつもりだけど。
社の周辺には私たち以外誰もいない。
ルンさんはここの巫女でもある。
ルンさんに導かれて本殿に入る。
『いらっしゃい』
『いろいろありがとうございます』
『これからよろしくね』
『神様ですか』
『そう考えてもらっていいでしょう』
『なぜ私はこの世界に来れるようになったのでしょう?』
『答えは自分で探してください』
『今日は贈り物があります』
目の前に指輪と人差し指程度の大きさの五体の像が現れた。
鳳凰・鹿・狼・むささび・龍の像だ。
『この世界にいるとき、指輪はつけていればこの世界のどこからでも「帰還実行」と念じればあなたの自宅に帰れます』
『あなたの世界にいるとき、あなたの世界のどこからでも指輪をつけ「魔法のパン」を持っていればこちらの世界に来れます』
『こちらの世界に来るには「訪問実行」と念じてください』
『どこに来たいか尋ねられます』
『「ヒカワ社」と念じればここに来れます』
『「神木」と念じればヤリミズ村の神木の裏に行けます』
『「大岩」と念じればカタクラ村の大岩の裏に行けます』
『「タカオ社」と念じればタカオ町の社の中に行けます』
『タカオ町の社にはいったことがありませんからあなたの世界の「高尾山」を「魔法のパン」を持って訪れてください』
『タカオ町に行ったら必ず社を訪ねてください』
『そうすれば次からあなたの世界からタカオ町の社を訪れることができます』
『5つの像も同様です』
『例えばあなたがあなたの屋敷の寝室に鹿の像を祀ったとします』
『あなたの世界で訪問実行で鹿を選択すればこちらの世界のあなたの屋敷の寝室を訪れることができます』
『一度祀った像を違うところに移動させることはあなただけは可能です』
『他の人は像を壊したり、移動することはできません』
『祀るときは置いた後、手を合わせて一回頭を下げてください』
『「訪問実行」はあなたの世界で「帰還実行」はこちらの世界でできます』
『『『それではまた』』』
後ろを振り返るとルンさんもロク様も寝ていた。
揺り動かすとすぐ目覚めた。
本堂に入った後の記憶がないらしい。
屋敷に帰って昼食。
午後は『錬金と錬成の腕輪』を使って指南書を読みながら魔法の練習。
夕食後自宅に帰ることにする。
ジャムは収納から出しザックに入れる。
ルンさんやロク様や使用人に魔法で出かけると伝える。
寝室から出かけて寝室に戻ってくだろうと。




