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不思議なパン  作者: TKSZ
127/258

127、領都イチゲ開都式(2)

森に元気がない!

朝、転移でカタクラ村に移動して森を散歩する。

今日は開都に向けての準備がいろいろあり、魔動馬車やAGT関連でも忙しいので朝のうちにカタクラ村の森を訪れている。


昨晩の打ち合わせでも領都は問題がなかった。

私の作業が順調なために16日に遅れた分の作業がほぼ追いついたらしい。

他の件で問題があった。

カタクラ村の森は最近、少し元気がないとコンさんが言う。

そこで調べることにした。

時間に余裕があるのはこの時間だ。


まだ、日が昇ったばかりだ。

朝日が気持ちいい。

精霊さんたちに尋ねる。


『森が元気がないと聞いたのだけどわかるかな』

『うん、長老の木が病気みたいだよ。森の木たちが心配している』

『案内してくれるかな』

『わかったよ。今、森に人間が入ることを許可してもらうよ』

『許可?』

『そうだよ。長老の木の周辺には人間は入れねいんだよ。認識もできないんだ』


そうなのか?

私の気配察知では長老の木が認識できている。


『森の意思から許可が出たよ』


うっそうとした茂みが移動を始めた。

そして僅かな通路ができている。

精霊さんたちに促されてその通路を進む。

通った後は茂みが元の場所に移動する。

そのように歩くこと30分。

大きな広場に出た。

そこには大きな木が何本も生えている。

そして中心にはとりわけ大きな樫の木が生えている。

しかしその樫の木には枯れ枝が沢山あり、何か元気がない。

鑑定でこれが長老の木であることが判った。


ゆっくり近づいてみる。


『賢者様、よくおいでにくださいました』

『あなたが長老の木ですか?』

『はい』

『貴方は病気なのですね?』

『残念ながら。徐々にひどくなってきています』

『鑑定をして治療をしてもよいでしょうか』

『お願いできればうれしいのですが』

『やってみましょう』


長老の木を鑑定してみる。

何の病気?

毒に侵されている!

何の毒なのか。

毒はどこから?


カビだ。

カビが原因だ。

このカビが長老の木の組織に入って栄養を吸い、組織に毒をばら撒いている。

長老の木にそのことを説明する。

そして治療だ。

カビの除去には長老の木に負担をかける。

二度手間にはなるけど、まずは現在長老の木に入り込んでいる毒をすべて分解する。

そして長老の木には植物用の回復魔法を施す。

カビを元気にしないように気を付けながら。

これらは錬金と錬成の腕輪の耕作魔法だ。

植物向けの魔法が耕作魔法であるから樹木にも有効だ。

 

そしてこれは手術だね。

気配察知でカビを特定して除去していく。

そして収納の中の容器に入れる。

少し時間がかかるな。

慎重に作業を行ったら1時間もかかった。

再びカビが残っていないか確認をする。

そして再びカビの出した毒を分解して長老の木に回復魔法を施す。

周辺にカビの菌糸や胞子が残っていないか確認をした。

・・・・・大丈夫だ。


このカビに心当たりがないか長老の木に尋ねた。

心当たりがあった。

2月前ぐらいに不審な人物が森を訪れた。

その人物は容器から何かを森に撒いた。

危険を感じた長老の木は風魔法で撒かれたものを回収、体内に隔離収納したが。


『しっかり隔離できなかったようです』

『それが原因ですね』

『申し訳ありませんでした。そしてありがとうございます』

『こちらでも調べてみますから何かあったら教えてくださいね』

『わかりました』


精霊さんを通じて教えてくれるようだ。

次はここに直接来ることを許可してもらい、転移のマーカーを設置する。


しかしまた厄介だな。

カビを鑑定したらこれが異世界ドルジェのものだとわかったよ。


また開都式前の忙しい時に。。。。


お読みいただきありがとうございます。

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