123、カラン国(18)
神殿籠城組を救出
さて神殿だね。
包囲しているエチ国軍の兵もこちらに気が付いたようだ。
一人強そうなのがいるな。
あの服装は将軍職か。
いきなり駆けて来たよ。
「お命頂戴」
大剣を大上段から軽々と振り下ろしてきた。
障壁で弾きながら身を躱す。
凄い威力だね。
後ろに持っていかれる。
危ない危ない。
バランスを崩すところだった。
このおっさんは無力化してから牢屋に入れた方がいいかな。
他の兵はカレンさんとケルン王子の指揮のもと、網でどんどん絡めとられていく。
エチ国の将軍が今度は大剣を横から薙いできた。
何でそんな大きな剣を軽々と振り回せるの。
伸縮警棒で流して大剣の勢いをそぐ。
一瞬、将軍が前のめりになった。
この隙に伸縮警棒で剣を絡めとる。
この技だけは少し自信があるんだよね。
絡めとった大剣を一瞬で収納に回収した。
これでよしと思ったら、今度は無手で攻撃してきたよ。
俊足を生かして避けたけど、どうやって無力化しよう。
おっと、危ない。
考えている暇がないな。
今までにはやったことがないけど、あの方法でいくか。
治癒魔法の針麻酔術を使うよ。
ツボに電気刺激を与えて麻酔をかける。
運動神経の一部を麻痺させる。
手足の随意筋限定だよ。
ツボに伸縮警棒でタッチ。
ここも。
よっこらしょ。
もういっちょ。
最後はここか。
うまくいったか。
動きが鈍くなったね。
そして、膝をついて動かなくなった。
動こうとしているけど動けないんだね。
「殺せ」
「いや、殺さないよ。尋問もあるからね。では牢屋に行ってくださいね」
また暴れるのが心配なので拘束具をつけて、網を使って牢屋に転移させた。
強い相手だと傷つけず、殺さずに拘束するのは大変だよね。
でも傷つけず、殺さずができる能力を持っている以上は傷つけず・殺さずの方法でやらないといけないよ。
さて、これで神殿の包囲が解けた。
同行しているカラン国軍の治癒士が神殿に籠城していた兵と貴族の面倒を見てくれている。
「賢者様、ケルン様。ありがとうございます。ところで敵はどこでしょう」
ああ、指揮官の伯爵さんは捕獲しているところは見ていなかったんだ。
「もう、牢に送ったよ。転移魔法でね」
「転移魔法ですか。流石、賢者様ですね」
籠城組にはもう少し休んでもらうよ。
残りはエチ国軍600人とガガの一派が90人弱か。
そのうち200人はまだ香辛料攻撃の影響で臥せっている。
実質500人弱か。
ではサクサクと討伐をしていこうか。
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