121、カラン国(16)
お食事中の方はすみません。
怖いの苦手な方も。。。
このくらいは平気でしょうけど。
「「「ぎゃーあ」」」
お、やっているね。
ただいま、エチ国軍の皆様には無料のアトラクションを体験していただいていまーす。
そう、丑三つ時ですよ。
ホラーです。
ほら、恐怖体験を存分にって。
「賢者タカシ様って意外にくろ・・・・えぐ・・・・・いい趣味をしているのですね。感心しました」
ケルン王子、その間は何ですか。
絶対に感心してはいないよね。
「隆司さんは昔からホラーが好きだったからね」
リサさんそうですよ、ホラーは娯楽ですよ。
今、壁の中ではエチ国軍の兵が魑魅魍魎と虫たちの幻影に追いかけれれているよ。
そして、転移の魔法道具に飛び込んでいく。
ホイホイと。
事前に捕虜になっている皆さんには結界を張りましたよ。
こちらからの操作で転移で救出するには人数が多すぎるからね。
音と光を遮断する結界で囲んで、幻影で牢屋が空に見えるようにしたよ。
牢番が驚いていたね。
しかし、エチ国軍の捕虜に対する扱いはひどいよね。
20人定員の牢に50人も収容しているよ。
皆さん、もうすぐ助け出しますよ。
魑魅魍魎の正体は色付きのでんぷん糊。
ごみ処理で出てきたでんぷんがたくさんあるんだけど食用にはちょっとという話になっているんです。
衛生上は全く問題はないけど・・・・。
で、同じくごみ処理で分離した安全な赤色色素の混ぜて赤い糊にしたよ。
それを魔法で細い棒状の人型にして幻影を纏わせた。
これで様々なお化けや幽霊や妖怪が出来上がり。
剣で切ると赤い色素が飛んでくる。
血を浴びたようになる。
怖いよね。
切られたはずなのにまた襲ってくる。
そうだよ怖いよね。
でも少し嬉しそうな人がいたので、ゴキちゃんやムカデやアブやハチやクモやバッタの幻影も用意した。
こちらは大量に。
虫型は少しの赤い糊でできるからね。
カエルやヘビやトカゲまで作っちゃったよ。
さらにサービス。
ネズミの大群登場だ。
エチ国軍の多くの兵が見ている前での特別ショーだよ。
ネズミの大群の前で一人の兵が倒れる。
ネズミの大群がその上を通り過ぎる。
兵が苦しんでいる。
飛び散る血。
飛び散る肉片。
そしてネズミが通り過ぎた後には白骨が!
よく考えたら、あんな短時間であんなにきれいな白骨にはならないよ。
でも十分に恐怖だよね。
ネズミに追いかけられて逃げていくよ。
全て幻影なのだけど。
演出:賢者タカシ
幻影操作:精霊さんたち
精霊さんたちもノリノリだね。
こういういたずらは私が許可した時以外でしては駄目だよ。
わかりました。
はい大丈夫ですね。
はい、ホイホイと捕まっていくね。
あ、連絡が。
え、保管庫が臭いって。
そりゃ衣服も入っているからね。
尿の匂いですか?
恐怖でちびったかな。
こんな凄いアトラクションを楽しませてもらっているのにちびるなよ。
ジェットコースターでちびる人もいるよね。
近くの売店で下着を売っているらしい。
お化け屋敷の近くの売店でも売っているのかな。
そんなことどうでもいいですって。
はいはい、精霊さんたち保管庫に浄化の機能をつけて来てください。
部屋には1日1回浄化する機能を付けたけど、こちらは荷物が運ばれたところでお願いします。
すでに入っている荷物にもお願いね。
おお、あと少しだね。
あそこの二人は腰を抜かせて動けないのか。
腰を抜かせて動けない兵が他にもいるね。
あ、ズボンの前にシミが・・・・
あ、あそこでは水溜まり?
精霊さんたち、あの兵たちを魔法道具の入り口まで運んでください。
臭いから嫌だって。
あ、大きい方も?
あれは爆睡していた司令官か。
証拠写真と。
あの司令官を尋問する時に使ってもらおう。
では「浄化」。
では運んでね。
これで終了かな。
お読みいただきありがとうございます。