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不思議なパン  作者: TKSZ
12/258

12 屋敷

クレン隊長・ルン様や村の人たちと村に戻る。

クレン隊長とは村駐在の衛士や村の警備隊長とこれからの警備について協議をするということで衛士の詰め所で別れた。

村長宅で昼食を頂いた。

とろろそば?

確かにとろろそばだ!

美味しい。

薬味のワサビも美味しい。

海苔もある。

川でとれる海苔だそうだ。

食事が終わって寛いでいると、村の幹部の一人がやって来て村長に耳打ちをした。

ルンさんは頷くとこちらを向いて話しかけてきた。

「タカシさん、このような素晴らしい成果を上げてくださりありがとうございます。この恩に報いるためにもう一つお礼を用意しました。受け取っていただけないでしょうか」

「いやすでに素晴らしい腕輪をもらっていますから」

「そういわず是非見てください」

『見に行くといいぞ』


ロク様まで。。

村長宅の門を抜け隣の敷地に向かう。

高い壁があってわからなかったけどかなり広い敷地だ。

2階建ての本館と7つの建物と庭・果樹園・池・菜園・畜舎。

本館には20余りの寝室、大小の食堂、厨房、ホール、書斎、図書室、風呂、使用人部屋・地下室がある。

8つの建物は工房が大きな物を作る工房・小さな物を作る工房、製薬工房・鍛冶工房・食品工房・倉庫そして離れと医務室?。


「いかがですか。気に入っていただけでしょうか」

「素晴らしいお屋敷ですね、どなたのお屋敷ですか?」

「村の所有になっています。ミオ・・・・姫様がお持ちでしたが、村に下賜されました。村で管理していました。このお屋敷を今回の鉱山復旧のお礼にタカシさんに差し上げることが決まりました」

「姫様から下賜されたものをそんなに簡単に私に贈ってはまずいのでは?」

「大丈夫です。姫様も喜んで許可してくださいました。遊びに来るのを楽しみにしているようです。王宮にも許可を頂いています。主寝室の隣の部屋は神鹿様の部屋となります」

『よし』


ロク様は上機嫌だ。


「はいわかりました。しかし清掃など管理が大変そうですね」

「これまでの使用人がおります」

「使用人を雇うお金がないよ」

「使用人の給金は屋敷で必要なものの費用は村で用意します。その代わり10日に一度ほど医務室で治癒と回復の魔法を使っていただきたいのです。日頃の医療は私が行っていますが私では対処できないものもあります。そちらをお手伝いいただきたい。緊急の時もお願いしたいのですが」

『良い条件だと思うぞ』


確かに工房で腕輪の魔法を試してみるにはいいな。


「わかりました。屋敷を頂きます。改装してもよろしいでしょうか」

「大丈夫です。そのあたりも織り込み済みです。トイレと温泉ですね」

「浄化槽も作ろうと思います」

「いいですね」

「村全体で整備したい設備ですね」

「では上下水道を整備すれば衛生上もよいでしょう」

「衛生上いいということは病気が減るのですね。その上下水道について教えてもらえますか」


上下水道について説明した。

今までは汚水は地面に浸透させていたようで地区によっては地下水に交じっていた懸念や川の水を汚していた可能性がある。

地区によって感染症が多い地区がある。

村長宅やこの屋敷は大丈夫そうだ。

治癒士であり村長でもあるルンさんにとって病気の予防は大事な任務だ。

疎かにできない。

午後は屋敷と村長宅のトイレの改善、屋内の上下水道管の設置、浄化槽の設置を行った。

屋敷の方では温泉の掘削も行った。

掘削の深さを変えることで2種類の温泉を掘り当てた。

片方はうれしいことに強アルカリ泉だ。

風呂も改造した。

使いやすいようにして露天風呂も造った。

男風呂と女風呂に分けた。

村の中の見学、工房見学の時間が無くなった。

今日はこの屋敷に一泊することになり、村長宅から荷物を運んできた。


使用人は15名いた。それぞれに一室が与えられている。

村の中に家族がいるものが多い。

自宅から通ったり屋敷の中に留まったりしている。

執事・副執事・メイド4名・料理人2名・庭師2名・工房管理者2名・警備員3名だ。

庭師は菜園や畜舎などの管理もしている。

屋敷の裏手には麦畑と水田もあった。

池では魚の養殖をしている。

屋敷で消費する以上の農産物が生産でき、工房で作られた加工品とともに村にも供給している。

売り上げは屋敷の維持にあてあまりは貯えにしている。


夕食は鰻のかば焼きだった。

池で養殖している鰻だ。

美味しい野菜ゴロゴロの味噌汁も用意された。

夕食はルンさんもこちらで一緒に食べている。


「食材が豊かですね」

「はい、特にこの屋敷では十分に自給自足ができると思います。いや塩だけは王都からの輸送に頼っていますね」

「岩塩は採れないのですか」

「見つかっていません」


うん、高濃度の塩水の鉱泉か温泉がないかな?

温泉から作った塩を生産しているところがあったよね。

鉱山魔法で調べたら敷地の端の方の深い地層に海水に近い成分の温泉が見つかった。

これで塩も供給できるね。

明日、掘削と塩生産施設の建設かな?

使用人の仕事を増やさないためにも従業員も必要かな。

塩が生産できそうだということを話したら、ルンさんが喜んでくれた。

塩を様々な取引材料異にしてくる貴族や商人が多いらしい。

すべてここで生産しなくても、こちらで生産できるとなれば力関係が変化してくる。

実は岩塩も見つかった。

採掘しづらいところなのでまたあとで考えるか。


食後、工房管理者にどのようなものを生産しているのか尋ねた。

低級な飲み薬、塗り薬、回復薬などの薬。

魔法薬のようなものはない。

食料品では燻製・漬物・甘露煮・干し果物・ジャム・そば・うどん・川魚や川エビの煮干し・味噌・醤油・チーズ・納豆・焼酎・酒・ワイン・ビール・ウイスキー・ブランデー・梅酒・蜂蜜酒・砂糖・メープルシロップ・様々な茶・養蜂も行っていた。

鍋・食器・ガラス製品・桶や瓶など様々な日用品・革製品・ザック・靴・衣類・アクセサリ。

家具全般。

武器や防具も作れる。


「忙しくないかな?」

「無理せずやっています。注文を受けるときにはかなり余裕をみて、納期が遅れることもあることを了解してもらった上で受注しております。この屋敷に文句を言うものはいません」

「了解、また相談をさせてください」

「「よろしくお願いします」」


夜、指南書を読み様々な魔法が使えるように練習をした。

途中で「魔法のパン」の効果が切れ、パンを一切れ食べた。


翌朝、朝食前に昨日調べた場所に塩を生産する作業小屋を建物魔法で造る。

小屋の中に塩を生産するための機材を設置する。

材料は腕輪の収納に木材や様々なインゴット・素材が収められていた。

自由に使ってよいということだ。

そこにも自由に使ってよい素材が収納されている。

不純物やごみの除去。

煮詰めていく釜。

できた塩を乾燥させる設備。

袋を作る設備。

袋詰めの設備。

保管庫。

まだ温泉は掘らない。

温泉を掘ったらどんどん生産をしなくては。


朝食をとってから作業を再開。

燃料・エネルギーをどうする?

昨晩、指南書を見ていたら太陽光や風を魔力に変換する方法が出ていた。

もちろんそのような魔法道具を作るわけだ朝食を食べに来たルンさんはそのような方法を聞いたことがないそうだ。

ソーラパネル・風力発電?

兎に角作ってみる。

屋根に設置して魔力を作業場に供給する。

特殊な線だ。

収納にあった魔石に一度繋ぎ、そこから作業場の設備にエネルギーを供給する。

作業をどうするか。

設備はある程度自動化してある。

温泉水が釜に適量入ったら次の釜に温泉水を導く。

適量の温泉水の入った釜を加熱する。

温泉水の撹拌・不純物除去。

水分のなくなった釜の過熱をやめ、塩を乾燥機に移す。

乾燥した塩の袋詰め など。

でも管理者が必要。

オートマタを作る。

2台。

エネルギー源は太陽と風。

体内に魔石を置き充電して動く。


用意ができた。

温泉を掘る。

掘削魔法。

管も作る。

温泉が出てきた。

期待した通り高濃度の塩水だ。

設備の配管につなげる。

設備とオートマタを起動して後は塩ができるのを待つだけ。

塩生産の稼働開始!

天気も良くいい風も吹いているからエネルギーは十分。


初めての塩ができるのは明日の朝かな?


ルンさんも唖然としている。

工房管理者も見に来た。


「どうかな」

「問題ないと思います」

「できた塩は調べてから屋敷で使う分以外を売り出すから。そういえば税金とかもかかるのかな」

「そちらはこちらにお任せください」


次は何をやるか。

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