117、カラン国(12)
さて、何からするかな。
さて、領都に戻ってきた。
カラン国王の治療を手伝う。
うん、あまりやることがなかったな。
ミオさんがほとんどやってしまったよ。
二人の王妃に関しては『回復のケーキ』を食べてもらった。
大丈夫だね。
お、国王陛下も上半身を起こしたよ。
大丈夫ですか?
「賢者タカシ=タケハヤ公爵、このような状態で失礼します。今回は本当にありがとうございます」
「いいえ、まだ無理をしないでください」
「いや、まだニラキでは戦っている者がいると聞きました。その者たちのためにも急いでことを進めないといけませんよね」
「そうですね。神殿に籠って抵抗をしている者がいます」
「では、カラン国国王として、逆臣ガガとその一味、侵略してきたエチ国軍の討伐の命をカラン国軍に出します。賢者様にもお助けをお願いしたい」
「わかりました。それでこれをお返ししておきますね」
ガガから取り返した緑の球をお国王に渡した。
「これを取り返してくれましたか」
「はい、これについては後程、ゆっくりとお話をしなくてはならないと思いますが」
「そうですね。すべき時ですね。皆にも説明をしなくてはいけないでしょう」
「では王城の奪還についてですが。まず神殿を助けましょう」
その後、作戦について話し合った。
実は緑の球を一時手にしてからカラン国の状況が手に取るようにわかるようになってきた。
今までの気配探知の能力と鑑定の能力と相まってカラン国を完全に把握できるようなってしまった。
これってまずいんじゃないかなん。
心配になって緑の球を鑑定した。
よかった、まだ所有はフルン国王陛下だよ。
今の分析ではカラン国内に入り込んだエチ国軍は4000人。
うち、ニラキ王城内には王宮に500人、神殿を包囲しているのが300人だ。
残りのうち1600人は王都ニラキに隣接するカラン国軍基地を占領している。
この兵が王都ニラキで略奪をしているね。
カラン国軍の兵士が800人捕虜になっているな。
さらに1600人は交易都市コウに向かって進軍している。
周囲の集落や村から略奪を繰り返しながら進んでいるよ。
ガガとそれに追随したカラン国の貴族の兵は100名か。
エチ国軍の略奪を止めるには早く行動しないといけないな。
被害が増えているよ。
こちらの勢力は神殿に籠っているカラン国軍兵士と貴族たちが100人いる。
ツキ町に集結しつつあるカラン国軍とカラン国の貴族が1500人か。
イサ町には1200人のカラン国軍とカラン国の貴族だね。
まだカラン国軍の多くがカラン国内にいるね。
タケハヤ公爵領軍はイサ町に500人、ツキ町に300人になった。
ムサシノ王国軍もイサ町に500人いる。
今いるタケハヤ公爵領軍とムサシノ王国軍には防衛に徹してもらうか。
すでにムサシノ王国国王陛下の命によりカラン国関係で私がムサシノ王国軍の最高司令官になっている。
王都からこちらに1500人の王行軍が向かっている。
まもなくエチ国軍の1600人が交易都市コウに着くな。
30分ぐらいか。
まずは交易都市コウの防衛からだな。
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