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不思議なパン  作者: TKSZ
116/258

116、カラン国(11)

緑の球奪還!

玉座の間の入り口まで気配察知からの転移魔法で移動する。

何故、直接転移しないかというと中に少し厄介そうな魔術師がいるからだ。

転移した瞬間、あの魔術師なら攻撃してくるだろうと考えた。

一人なら何とかなりそうだがリサさんとカレンさんが心配だ。

セルさんはおそらく大丈夫だろう。

入り口を守っている衛士に睡眠魔法で少しおやすみいただいた。

彼らはエチ国の衛士だな。

王宮はエチ国によって完全に占拠されているようだ。


玉座の間の扉を開ける。


「ガガ、貴方なんて言うことをするのよ」

「う、カレン姉さんどうしてここへ」

「貴方が馬鹿なことをしたからよ」

「馬鹿なのはあなたの方よ、カレン、こいつらを縛り上げなさい」


第三王妃が喚いた。

10人のエチ国の騎士がこちらにやってくる。

ここは伸縮警棒で。

自身に身体強化をかけ、伸縮警棒の拘束魔法で騎士を拘束していく。

私が5人拘束しているうちに残りの5人をセルさんとリサさんが無力化していった。

無力化した5人にも拘束魔法をかける。


「さて、どうする、謀反の首謀者さん」

「う、お前はタカオ町にいた」

「そう、賢者タカシ=タケハヤ公爵だよ。諦めて降伏をした方がいいじゃないか」

「俺はカラン国王だ。謀反はそちらだ」

「でも王位の継承はされていないね。カラン国の王が受けるカラン神の加護もないだろ」

「これがある。国王がいつも持っていた緑の球が、だから俺が王だ」

「まだわからないのか。王位はそれだけでは継承できない」

「なぜだ。俺が一番王にふさわしいのに」

「話しても無駄だな。その緑の球は国王陛下に返させてもらうよ」


カラン神様から加護を受け、「カラン国王継承候補」になっている私の持つ能力を発動する。

本来の持ち主から王位継承のできない不適合者が奪った球を回収できる能力だ。

自身を鑑定した時にわかったよ。

この能力は10m以内でないと使えないのだが難点だ。

先程から離しながらゆっくりとガガの方に近づいたよ。

緑の球が私の方へと移動してきた掌に収まった。

その瞬間、球が淡い黄金色の光を発した。


「なんだその光は」


何だと言われてもね。

説明するつもりはない。

外からエチ軍の兵士が駆けつけてきたな。

一人強いのがいるね。

こいつがケルン王子を怪我させた奴か。

人数も多いからいったん撤退かな。

神殿に籠城している貴族や王国軍も気になるからね。


「おっと、危ない」


合図を送って領都に帰還しようとしたとき、それまで静かにしていた第三王妃の横にいた男が攻撃魔法を放ってきた。

氷の矢だ。

無詠唱か?

いや唇は動いていたかな。

障壁で弾いたが結構押されたよ。

強力だな。


「下から連中の援軍も来たようだ。リサさん、カレンさん、セルさん、帰還しよう。先に行ってくれ」


結界で3人を守りながら伝える。

3人の転移魔法が作動した。

3人はが無事に転移するのを確認した時、さらに石の矢が飛んできた。

空気弾で迎撃したよ。

あ、もう一度、石の矢かな。

唇が動き出したところで相手の魔法を無効化もしてみる。

うん、うまくいったね。


さてちょっといたずらをしてお暇をするか。

人口的に合成した香辛料の微粉末を玉座の間の空気中に浮かべる。

胡椒、唐辛子、山椒、からし、ワサビ、ニンニクなどなど。

大サービスだ。

しっかり吸い込んでね。

ついでに体中に臭いをつけてね。

私の周りは空気の層を創って粉末が来ないようにしたよ。

くしゃみが止まらいようだね。

あ、連中の援軍が無謀にも入ってきた。

こんなものが空気中にあるとは思わないだろうけど。

目から涙だね。

それではまたね。

転移で領主館の医務室へ戻ったよ。


お読みいただきありがとうございます。

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