112、カラン国(7)
救出作戦は。
さて、私の転移能力は問題がないな。
ここからまずカラン国王都ニラキの神殿に転移してそこから国王陛下の元へ。
国王陛下はニラキ神の加護を受けているからニラキ神のいるところへ転移すればよいか?
転移直後は戦闘になりそうだな。
そうすると連れて行くのは誰がいいのか?
複数の人物を連れて姿を隠しての転移はまだ私には厳しい。
転移後、すぐに同行者の姿を隠すことはできるけど。
それではこうしよう。
イサ町から王都ニラキまでは約12km。
イサ町の社に転移してそこから王都ニラキの神殿内の気配探知を行う。
王都ニラキの神殿の固定ポイントへの転移をした場合、祭壇の前へ転移することになる。
普段は締め切ってあり、人はいないのだが今はどうだろう。
いなければ同行者とともにそこに転移。
いる場合は私だけが転移して相手を睡眠魔法と拘束魔法で制圧する。
その後、中からカギをかけて同行者を連れてくる。
神殿は王城内の王宮に隣接する場所にあるらしい。
神殿から気配探知で王宮内の様子を探る。
ニラキ神様の居所から国王陛下の場所はわかるだろう。
問題は二人の王妃だね。
探し出せるかな。
やるだけやってみよう。
イサ町の社からも王宮内を1回探ってみた方がいいよね。
兎にも角にも神殿の祭壇前が最前線基地だよね。
さて、同行者だ。
カラン国の王族はホルン第三王子かカレン第一王女だね。
王子と王女に作戦を説明してホルン第三王子かカレン第一王女のどちらかが同行できないか尋ねてみた。
全員が同行を希望したけどここはホルン第三王子かカレン第一王女のどちらかでとお願いした。
しかし、二人とも同行を強く希望しており調整がつかない。
仕方ないね二人についてきてもらおう。
さて護衛だが。
うーん。
体術上級で剣術中級のリサさんにお願いしよう。
もう一人・・・・
「私に同行させてください」
いつの間にか佐藤セルさんがいた。
そうだセルさんは強いんだよね。
防御魔法中級や体術上級や短剣術上級や隠密、さらに毒耐性と魔法攻撃耐性、転移の指輪と収納の腕輪と防御の腕輪ももっている。
その他の能力も忍者か諜報員だったよね。
この作戦には最適だね。
お願いしよう。
リサさんは転移の指輪と防御の腕輪を持っているけど今回の非常時用にイチゲの領主館の医務室に転移する腕輪作って渡し、装備してもらった。
セルさんにも同じものを渡した。
カラン国のホルン第三王子とカレン第一王女には転移と防御の腕輪を作って渡した。
これも転移先はイチゲの領主館の医務室。
そこにミオさんとルンさんとコンさんに待機してもらう。
これらの腕輪は本人しか転移できない。
そして通信機能もある。
5人で一緒に行動したいが、もし私がいないときに国王や王妃を救出した時のために3人のための腕輪も用意する。
一度しか使えない。
作動させられるのはリサさん、セルさん、ホルン王子、カレン王女のみ。
転移させたい人物に腕輪を装着し、腕輪に手を添えてパスワードで作動させる。
腕輪を装着された人物のみがイチゲの領主館の医務室に転移する。
医務室には17か所の転移先を用意した。
4人にそれぞれ3個の腕輪。
12か所。
もし、3人以外に救出が必要な場合はは救出を行う。
そして本人たちの転移場所が4か所。
そして私の転移場所。
敵対する人物を転移させてしまった時のために医務室に衛士も待機させる。
さあ、準備は整った。
作戦開始だ。
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