109、カラン国(4)
まずはムサシノ王国内での意思統一かな。
カラン国のケルン第一王子と側近を連れてムサシノ王国王都チヨダの王宮にあるタケハヤ公爵の部屋に転移する。
早速、侍女を通して国王陛下に到着の連絡をしたよ。
直ちに国王陛下の執務室に通された。
国王陛下だけでなく宰相、外務卿、軍務卿、三公爵が待っていた。
「ただいま参上いたしました。遅くなって申し訳ありません」
「おお、賢者タケハヤ公爵ご苦労様。ケルン王子よくぞご無事で」
「いや、賢者様が来てくれなければだめでしたよ。本当に賢者様には感謝しております」
「早速だがカラン国の状況の説明をしてもらえるのかな?」
「はい、私の側近のジクジが説明いたします」
側近のジクジさんからガガ第二王子によって王宮が制圧され国王と第一王妃と第二王妃が幽閉されたこと、エチ軍によって国軍が奇襲を受け敗走したことなどが説明された。
タカシからも神様からもたらせた情報の一部を説明した。
事件が起きていることはカラン国にあるムサシノ国の大使館からもたらされたが現在連絡が付かないらしい。
「形は第二王子によるクーデターか反乱のようだが、実際にはエチ国による侵略だな。で国王の座の継承はどうなったのかな」
「継承の品を探しているようです」
「ケルン王子は継承の品の在りかを知っているのかな?」
「いいえ、知りません」
「国王以外で知っている者はいないのか?タケハヤ公爵は何か知っているかな」
チヨダ神様とムサシノ神様から国王陛下には情報がもたらされているようだね。
「いや、私がお会いしたカラン神様は国王陛下以外にも在りかを知る者がいると教えてくださいました。ただし、それが誰かは言えないとも言われました」
「ケルン王子が知らないとなるとタケハヤ領で保護されている王子や王女たちが知っているのか。さてどうしたものか。継承の品を早めに確保した方がいいと思うのだが」
「それも大事ですが、カラン国王の容態を考えるとまずは大至急救出を行いたいのですが」
「そうだな、継承の品はそれからだな。賢者タカシ=タケハヤ公爵、ムサシノ王国国王としてカラン国王と第一王妃と第二王妃の救出をお願いしたい」
「かしこまりました」
この作戦に適しているのはやはり私か。
さて、面識のないカラン国王と第一王妃と第二王妃の納得してもらうにはどうするか?
ケルン王子は筋肉を再生させたばかりなので連れて行きたくない。
第三王子か第一王女か。
本人たちに聞いてみよう。
まずはケルン第一王子と側近をツキ町まで転移で連れて行った。
ここで反乱軍鎮圧部隊の結成を行い、準備することにしてもらったよ。
さて、同行者を誰にするか。
3人を加えて帰還するにはどうしたらよいか。
自分の転移能力の鑑定と場合によっては魔法道具の製作が必要かな。
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