107、カラン国(2)
神様達と。。。
「来ると思ったよ」
アスカ神様の社に入ると神様達が待っていた。
そこに見たことのない1柱の女神さまが混じっている。
「カラン国についてだろ」
「はい、情報を得たくてまいりました。よろしくお願いします」
「お願いされるよ、いうよりこちらからお願いすることになると思うよ」
「はい?」
「こちらの女神はカラン神だよ」
「初めまして。賢者タカシです」
「こちらこそよろしくお願いします。神である私が直接介入はできませんので賢者様にお助けいただきと思いこちらにお邪魔しました」
「わかりました。それではカラン国の状況をお教えください」
「はい、もうご存知のこともあるかもしれませんが最初からお話しします。今朝3時ごろ、カラン国のガガ第二王子と第三王妃がクク元男爵の手勢や王都ニラキに潜伏していたエチ国の軍を王城に招き入れて王宮内を制圧、国王と第一王妃と第二王妃を幽閉しました。その時、国王は重傷を負い意識が今もありません。ガガ第二王子は即位を宣言し、反抗する貴族にはエチ国の軍勢を差し向けています。降伏した貴族も多いようですが有力貴族の何名かはムサシノ王国に向けて逃げています」
「カラン国の軍はどうなっています」
「エチ国の軍勢の奇襲を受け敗走中です。その際、ケルン第一王子も怪我を負いましたが、従者が必死になって助け出して先程ツキ町に到着しております」
「おお、ツキ町の社にいるぞ」
「ツキ神様ありがとうございます。ところでカラン神様はガガ王子が国王を宣言したのにこのように敵対するであろう私のところで情報を漏らしてもよいのでしょうか」
「まだ、正式に王位が継承されていません。カラン国の場合、王位の継承にはある品の継承が必要です。まだガガ王子はその品を手にしていません」
「それは国王から渡されていないからということですか?」
「いいえ、手に入れさえすれば国王の血筋なら国王と認められ私の加護が付きます」
「ではその品を見つけ出していないということですね」
「そうです。国王が意識を失い、在りかがわからず、第一王妃と第二王妃をせめてその品の在りかを聞き出そうとしていますが、二人ともその品の在りかを知りません」
「知っているのは国王陛下だけということですか」
「いいえ、そうではありませんが」
「誰が?」
「それは私からは申し上げられません」
「わかりました。この様子ではエチ国の支配者も神様の加護を持っていそうですね。敵対したくないですね」
「それについては私から説明しよう」
「アスカ神様?」
「うむ、国王だから加護を必ず持つとは限らんということだ。反対に国王でなくても加護をもつ者がおる。賢者のようにな」
「そうなのですか」
「これは国や都市や町村も同様だ。中にはお主のように他の物が支配している都市の加護を持っている者がいるな」
「チヨダ神様の加護のことですか?」
「そうだ。チヨダ神はタカシとムサシノ国王に加護を与えている。ムサシノ神も同様だ。タカシの持つ多くの加護は規格外だけどな」
「そういえばカラン神様カラン国王陛下の容態はどうなのでしょうか?」
「今、ニラキ神が近くで加護を強めていますが予断を許さない状態です」
「では急がないといけませんね」
「賢者タカシ様、どうかカラン国王と第一王妃と第二王妃を救い出し、エチ国の軍勢を追い出し、民のためにもカラン国を正常な状態して正しい継承者に継承の品が渡るようにご助力ください」
「わかりました」
「ありがとうございます。では私の加護をお受け取りください」
カラン神様の加護を頂いた。
こんなに簡単に頂いていいのか?
アスカ神様は問題ないと言っているけど。
さあ、行動だ。
まずはツキ町に急行してケルン王子だな。
そして、王都チヨダの王宮、ニラキの王宮か。
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