105、魔動馬車(3)
物は作るだけではだめでしょう。
使う人のことも考えないと。
使い方と使う心構えと。
さて、自転車の方に話が逸れたが、魔動馬車もこの話の延長線上で考える。
基本は教習と免許制度、そして徹底した安全な魔動馬車の開発だ。
上級交通免許。
これがなければ魔動馬車などを貸し出さない。
魔動馬車は当面は貸し出し制。
定期点検もこちらで行う。
整備不良も困るよね。
上級交通免許の取得は日本の自動車免許とほぼ同じにする。
学科と実技。
学科は試験がある。
実技は教習所での実技で試験を行い、仮免許で路上教習。
このような流れで免許を取得してもらう。
魔動エンジン搭載の交通機関で車道を走行させる予定のものは魔動馬車とバギー車と軽トラサイズの魔動運搬車というところか。
まずはこれだけにしておく。
領都内の車道では最高時速は25kmにする。
魔法による自動制御だ。
衝突防止機能や経路逸脱防止装置やその他のシートベルトなど安全装置もつける。
居眠り運転防止装置もその一つだ。
今回の魔動馬車はそれほど速度は出させないが運搬できる重量も大きく、休みなしで何時間でも走らせることが可能だ。
運転の作業が単調になれば眠くなるだろう。
領都外での速度は国王陛下らと話し合いになるだろう。
国との話し合いが付けば、領都外での使用にも貸し出すつもりだ。
国としての交通規則ができないと領都外で無免許運転が出るであろうから所有はまだ先だな。
貸し出しによって無免許運転はできないようにできるだろう。
免許所有による認証システムで動くようにするからだ。
所有だと勝手にこの機能を変えられても怖い。
実際にこの機能を解除すると完全に動かなくする予定だが念を入れるに越したことはない。
基本的に低速なら空気中の魔力と太陽光によって供給される魔力で済みそうだが時速15km以上になると蓄えてある魔力も使うことになりそうだ。
そうすると時速25kmで新たな魔力を蓄えずに走れるのは夜間で6時間、曇りの日中で10時間となるか。
晴れていれば昼間10時間走行後に夜間4時間走れるだろう。
時速15kmなら夜間10時間は走れるだろう。
昼間晴れていれば魔力を蓄えながら走ることも可能だろう。
そうすると魔力を新たに補充せずに350kmぐらい移動できるかな。
そんなことでその日の検討は終わった。
教習所建設の指示も出したよ。
自転車や魔動馬車の製作も量産型にすることになったよ。
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