104、魔動馬車(2)
自転車ブームは喜ばしいのですが、最近の暴走気味の自転車を見ると自転車も免許制にした方がいいと思っています。
魔動馬車の導入が簡単でない理由。
1、速度が速すぎて普通の馬車との関係から事故やトラブルが起きる可能性が高い。
2、この世界では交通ルールが定まってなく、魔動馬車通行した場合、歩行者と魔動馬車の事故が心配である。
3、魔動馬車の運転の養成が必要だ。
ではどうするか?
「交通規則は間もなくできます」
今、領都内での交通規則を作っている、というか日本の規則をもとに簡素化したものを用意している。
「交通教室を住民に行う日程もできつつあります」
無料で交通教育を4歳以上の住民全員に行う。
もちろん年齢によって分けて行う。
この交通教室に参加した者には初級交通免許を交付する。
この免許を取得した者には3輪自転車の運転を許可する。
そう、3輪自転車だ。
三輪車ではない。
1人用の3輪自転車だ。
速度は時速10km以下しか出ないようにしてある。
魔法の制御装置だ。
ブレーキを握るとブレーキランプが点灯する。
前照灯、方向指示器、ベルが付いている。
変速機もある。
盗難防止措置も施してある。
内壁内の通行が許可されている歩道と外壁内の自転車専用通路でのみで使用可能だ。
車道は走行ができない。
間違えて走行ができないところに入ろうとすると警告が発せられる。
外壁外への持ち出しも不可だ。
交通規則の施行に伴って罰則もできる。
この3輪自転車を貸し出すことにする。
月あたり時間制限付きで。
他人の時間を使うことはできない。
違反したら罰金だ。
この時間をオーバーして使いたいときは有料になる。
住民以外はどうするか?
30分の講習を受けて有料で初級交通免許を交付する。
3輪自転車の貸し出しも有料になる。
これが初級交通免許だ。
中級免許は座学の講習と試験、実技と試験を受けて取得できる。
ただし初級免許を持っていることと違反がないことが条件になる。
中級交通免許は2輪の自転車と東南アジアなどで見かける3輪の自転車タクシーが運転できる。
自転車タクシーは自転車の横の座席が付いたタイプだ。
2輪の自転車と3輪の自転車タクシー速度はともに魔法の制御装置で時速15km以下しか出ないようにしてある。
ブレーキを握るとブレーキランプが点灯し、前照灯、方向指示器、ベル、変速機、盗難防止装置が付いている。
領都内の自転車専用通路でのみで使用可能だ。
これは有料の貸し出しのみだ。
これらの自転車が領都内のどこにあるかを掌握するシステムも構築しつつある。
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