103、魔動馬車(1)
自動車の代わりは?
都市間魔動AGTについては今日はこのくらいにした。
ルル内政官から掘割車道の悪臭と馬糞の問題が報告された。
馬車を引く馬の落とし物だ。
容器でしっかり受け止めている御者もいるのだがそうでない場合もある。
このことは予想されていたので消臭機能も掘割車道には付けたのだが。。。
車道の掃除も追いついていない。
道路清掃車を作るかな。
「予想はしていましたが、やはり気温の上昇とともに今の処理能力では対応ができなくなってきたようです」
さて、これに対してマリさんとカレンさんから提案があった。
以前よりヒカワ領の研究所で研究されていてこちらの研究所で魔動AGTの技術を入れることで完成した魔動馬ができたの事だ。
ヒカワ領では馬のように四つ足で進むように研究していたがそれを車輪に変えた。
ただし、御者が今までのように手綱で操作でき、速さは馬と変わらない。
安全のために非常用のブレーキはつけたが。
練習なしに御者が操作できる訳だ。
御者の一般的な操作と馬の反応の関係を魔動馬の操作に反映するのには苦労したようだ。
領都外壁の門を潜ったところで馬からこの魔動馬に付け変えてもらうようにすることにしようとの提案だ。
馬車を引く馬型トレーラーというところか。
領都イチゲの住民や日頃から領都イチゲで活動する者には馬と魔動馬を交換するか、この魔動馬を購入することで対応するという案も出された。
魔力はこの魔動馬が空気中から吸収する以外に太陽光からも変換できる。
必要あれば、魔法道具用の魔力供給センターを整備しつつあるのでそこでも蓄えることができる。
ランニングコストがよくなる。
さらに鍵があり盗難防止にも優れている。
所有を希望する馬や交換をした馬は内壁外の牧場で管理する。
少し狭いが大丈夫だろう。
外壁外での使用は国王陛下との話し合いが必要だろう。
許可が出るまでは交換した馬を貸し出すか。
おそらくムサシノ王国内での使用はすぐに許可が出るだろう。
内壁内には馬は原則入れない。
環境にもいいし衛生管理にも。
「さて、タカシ様から提案のあった魔動馬車についてですが」
魔動馬車、つまり魔力で動く馬車だ。
馬や魔動馬に引かれなくても動く馬車、つまり魔動自動車だ。
それについては説明と図面と試作車を渡してある。
ただ、簡単に導入できない理由があるのだけどね。
お読みいただきありがとうございます。