1 近くの遊歩道で
初めての公表する作品です。
アルカリの強い温泉が好きだ。
近場の温泉にもよく行く。
最近のお気に入りの温泉宿では夕食・朝食とも洋食だ。
洋食だからパンが出る。
宿で焼かれたオリジナルのパンが。。。。
焼き立てのパンはおいしい。
自宅でもパンを焼いてみたい!
ネットショップで調べていたらホームベーカリーが安かった。
特別な機能はないけど、この値段なら納得。
早速、店に行き購入。
よかった、店頭に在庫があった。
ディスカウントショップで材料も買ってきた。
フランスパンが簡単でいい。
パンを食べることが増えてきた。
菓子パンや食パン・クルミパン・チョコレートを練りこんだパンなども作った。
オープントースターで焼くとさらにおいしい。
友人にも好評だ。
今日は自宅から歩いて小山内裏公園に行く。
桜が一気に開花した。
春の花を楽しめそうだ。
お弁当は自家製のクルミパン。
リンゴのコンポートを挟んである。
コンポートも安売りしていた「訳ありリンゴ」で自家製。
美味しくできた。
ペットボトル麦茶とデジカメも持ってカタクリの花を見にいざ出発。
片倉城跡公園もいいけどもやはり自宅のそばのカタクリに挨拶してこなくてはいけない。
片倉には明日にでも行こうか?
林の中のコンクリート舗装の遊歩道をカタクリのある方へ向かう。
花は咲いているかな?
カタクリ以外はどうかな?
スミレが咲いている。
ホウチャクソウはまだかな。
ホトトギスの芽が出ている。
キジがケンと鳴いている。
キジも鳴かねば撃たれまい。
ここでキジを撃つ人はいないよね。
花粉症がなければいい季節だよね。
風が気持ちいい。
今日は何か花粉も少なそうだ。
マスクを外してみたけど大丈夫そうだ。
この方が気持ちいい。
おや、今日は人とすれ違わないな。
普段からあまり人とで出会わない場所だけど。
足元ばかり見ていたけど、違和感を感じて周囲を見る。
樹々の向こうに見えるはずのマンションや道が見えない。
右手は下がっているはずの場所だよ。
それなのに右手にはどこまでも森が続いている。
遊歩道がいつもまにか土になっている。
ここはコンクリート舗装のはずだよ。
よく見ると見覚えのない場所だ。
見覚えのない天井というわけではない。
樹々の隙間から見える空は自宅を出た時と同じ青空だ。
どうしよう。
戻るか。
戻れるのか?
遭難か?
こんなところで。
それとも歩いているうちに死んでしまったのか?
ここは天国?地獄?
道の先に茶色いポンチョのようなものを羽織った人影がうずくまっている。
今日は暖かいのに。
どうしたのだろう。
死んではいないよね。
動いているから大丈夫だろう。
様子を見て、ここがどこかも教えてもらおう。
近づいた。
「どうしました」
急に声をかけられてびっくりしたようだ。
「はい。朝早く食事もせずに村に向かったのですが、お腹がすいて力が出ず歩けなくなってしまいました」
女性の様だ。
腹ペコキャラ。
腹ペコヒロイン。
ペコイン。
ペコちゃん?
暴食おばさんだったりして。。。
「大丈夫ですか。何か食べますか?」
その人物がこちらを向いた瞬間にフードが外れた。