第三章 均衡の終焉 第四節 資格
ごめんなさい、短くて。
体調不良です。
第四節 資格
ミーシャが辺りを見回すと、際限なく木が広がっていた。広大な森。特に特別な名称がつくわけでもなく、そこはそう呼ばれていた。街や王城と護りのドラゴンであるリバルドを切り離している森。この森には幾重もの結界が張られ、リバルドを守っていた。
神聖な森。そう呼ぶものもいる。基本的には国の者はここには足を踏み入れてはいけないことになっている。そのため、木々は雄々しく生え、動物たちも大きな関与もなく自然法則に従って逞しく生きている。
踏み入れていいのは許可を得たハンターと一部の採集家であり、彼らはこの自然を犯さない程度の関与しか認められていなかった。
もちろん、密猟者はいたが、それもガーディアンズの手によって守られることが多かった。
そんな森の端にミーシャはいた。目の前には薄水色の壁が出ている。魔術の壁だ。この壁が無くなったらスタートだ。
「すぅぅぅ、はぁ」
ミーシャは少し緊張していた。一体何が待っているのか、想像がつかないからだ。
「ドラグナー、か」
ミーシャにはいまいちまだ実感が湧いていなかった。自分があのドラグナーの候補であるという事が。そして、自分が今まさにドラグナーになるために試練を受けるのだという事実にも。
スゥ
目の前の魔術壁が消えた。すると、それと同時にミーシャは走り出した。今、一番リバルドから遠い位置にいるのは自分だ。
タッタッタッタ
勢いよく走り出したはいいものの、舗装された道のない森を進むのに大きな枝に登ったり草を掻き分けたりで、なかなかスピードに乗れないのが現状だった。
トットット
そしていつの間にやら少し速い早歩き程度のスピードに落ちていった。
トツトツ
そして更に歩が進むと、ついに足が止まってしまった。
「この方向で良いのかな」
そう、どこを見回しても同じような草木がうっそうとした景色。道がある訳でもなく、先が見える訳でもない。進めば進むほど自分の歩いている方向が正しいか疑いが強くなってしまうのだ。
「木に登ってみるか。古の円舞曲」
ミーシャは法力フィールドを展開して、木をするすると登った。そして、周りを見渡してみる。
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