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トライアングルドラグナーズ  作者: 桃丞 優綰
忍び寄る魔王の脅威
32/77

第二章 忍び寄る魔王の脅威 第二節 選挙開始

後書きに本文とは別にヒントを書きます。


いよいよ三人になりましたね。


第二節 選挙開始3


 投票は国民それぞれが三票(一票一点)ずつ持っており、好きな候補者に入れることができるようにした。また、一番魔王だと思う者、一番魔王ではないと思う者という項目も設け、集計した(必ず記入が必要)。魔王に関する問いはチェックに対して三得点の増減があることを公表している。


 これによって投票者が自由に票や得点を調整できるようにしている。つまり、魔王でもないと思うし、投票はしたいけど他と四点つけるほどは差を出したくない(三点くらいの差が良い)という場合は魔王ではないという項目にだけチェックすれば良い。

 

 一方、魔王らしいけど差はそこまでつけたくない時は票を入れて、魔王だと思うという項目にチェックすれば良い。


 また、魔王ではないと思う二人がいる場合は票を一人に固めて三点、魔王ではないにチェックして三点ということも出来るし、これを一人に固めて六点分与えることも出来る。そういう意味では票や得点がそのままの人気や疑いであるとは限らない。


 つまり、


・票は一人三票持っている(一票一点)。


・票の入れ方は自由。


・票とは別に特殊な質問があります。それが、魔王であるかないか。


・魔王ではないにチェックすると三点分プラスになる。


・魔王だにチェックするとマイナス三点。


・票及び魔王の質問は必ず記入することになっている。

 

ということである。



 他にも空白欄を設けており、そこには個人の見解を自由に書くことができるスペースがある。先にも言った通り、数値だけでは皆が何を思っているかがわからないのだ。できるだけ皆の持つ見解は知りたい。ただ、もちろん膨大な量なのでかなり纏めるのに時間がかかるのである。


 以下が総合得点率と大まかな意見。得票、項目得点(魔王ではない=プラス得点、魔王だ=マイナス得点)の特徴である。集計の際は分かりやすくするために六桁以下を四捨五入している(個人の各項目で計算。つまり、個別に四捨五入している。合計だけではない)。また、トルティ国の国民は一億人である。




セメス 

得点率20パーセント。得票七千八百万一位、プラス得点三位。堂々の一位通過である。リオンの推薦と、議論最後の言葉が好印象のようだ。


ケーテ 

得点率18パーセント。得票六千万二位。マイナス得点三位。観測台責任者という立場が影響している。また、彼が発言した意見も大多数の人から賛同を受けているようだ。


ドメス

得点率15パーセント。得票七位。プラス得点一位。票こそ集まらなかったものの、魔王でないという点数が最も多く三位通過である。平和的な態度が功を奏したらしい。魔力の高さもプラスに働いているようだ。


ライチ

得点率3パーセント。プラス得点千八百万八位。マイナス得点六位。強さが足りないという意見や、議論の発言で少し印象を悪くしたようだ。人の意見にあやかってばかりに見えるなどが挙げられている。


ヌードラ

得点率14パーセント。プラス得点四千五百万二位。かなり迫ったが、上位三人の中には入れなかった。基本的に印象が良いが、決定打に欠けたようだ。少し変わった意見であるというのも影響している。マイナス得点はドメスと同じだった。


イサエル

得点率6パーセント。得票六位、プラス得点九位、マイナス得点九位。他国出身というのがかなり足を引っ張った。言葉が不安定というのも魔王を連想させたようだ。得票はヌードラの半分であった。


コヨルド

得点率6パーセント。得票はケーテと同じ。プラス得点二千七百万五位。マイナス得点一位。マイナス得点は二位と一千万以上の差が開いた。英雄として票こそそこそこ集まったものの、言葉遣いが悪いというのが悪く影響した。魔王らしいという声が一番多かった。


グローバ

得点率11パーセント。セメスを疑っているというのがマイナスに働いてしまった。発言の信用度を損ねてしまったようだ。また、研究することに意識が行っており、国民を大事にしてくれないのではという意見もあった。他の候補者の意見に当てはまるものが多いのも一因だ。


テト

得点率5パーセント。プラス得点七位。若過ぎるという意見が大半だ。議論でも目立った発言がほとんどできていないことが指摘されている。得票はライチと同じ、マイナス得点はグローバと同じだった。


ニム

得点率2パーセント。全ての項目で十位。得票は三百万だった。異形だということに加えて、議論での暴れぶり、異形擁護の発言の多さが足を引っ張った。




 当然だが六桁の四捨五入はしてもしなくても結果には影響しない。ただ、そうすることで数値が全て三の倍数になった(ただし、ゼロはない)。また、得票はその得票者の四倍になる組み合わせがあった。


 得票、プラス得点、マイナス得点を三段階に分けて整理すると以下の通りになる。


 順に五千万以上、    三人、一人、二人。

 三千万以上五千万未満、一人、三人、三人。

 一千万以上三千万未満、三人、五人、四人。


また、プラス得点とマイナス得点に関しては一位以外は6000万以上の数値は出なかった。


挿絵(By みてみん)


 【中問題。それぞれの得票、プラス得点、マイナス得点を求めてみましょう】


 リオンとしては安全牌のセメスが残ってくれたことは嬉しい。ドメスはわからないが、ケーテも大抵信用できる。魔王としての可能性はそこまで高くない三人だろう。


 もちろん、セメスを含めてまだ魔王ではないと確定した訳ではない。念を入れての調査は必要になってくるだろう。もし、この三人の中に魔王がいるとすれば誰であるか。しっかり考察しなければならない。


 セメスであった場合。魔王はグローバの言う仮説通り、かなり前からこのトルティ国に潜んでいたことになる。つまり、今のところいつものセメスと変わっているという感じではない。仮説はまだ仮説でしかない。


 ケーテであった場合。観測報告を弄る事ができそうなので、いつこちらに来たかという事などが正確に把握できない可能性がある。成り代わる対象としては一番効果的かもしれない。だが、この辺は正確に調査していけば、簡単にしっぽが掴めそうだ。


 ドメスであった場合。潜むという意味では一番潜みやすい位置だ。しかし、国民の大半が言っている通り、かなり平和的な態度であり魔王が成り代わったとしては少し温和過ぎる気もする。仮に演技だとしたら過剰演技でやりやすいのかもしれないが、ブードーの拡声器を偽る事ができるかが疑問だ。今までは拡声器に翻弄されていたように感じる。詳しいことをブードーに聞いてみたいが、この時期に会うのは危険なのだ。


 では、もし仮に三人とも魔王ではなく、七人の中にいるとしたら誰なのか。


 ぱっと、思いつくのはやはりコヨルドだ。英雄視されている観測者という立場や、強い魔力、言葉の荒さ、どれをとっても非常に疑わしい。元々の性格だという事だが、それも魔王にとっては好都合に思える。とは言え、慣れてきた魔王があそこまでわかりやすく魔王らしさを出すかは疑問である。そういう意味では違うとも十分に考えられるのだ。


 次にライチ。魔力成績こそ悪いものの、敢えて下げた、下げる事ができるのだとしたら彼女のように最低点を出す可能性が十分にある。議論も人の意見にあやかったり、自分の意見も単純、時々刺さるような言い方をしたりと魔王の立ち回りとしては申し分ない。が、女性のドラグナーの前例が無く、そこで選ぶのがライチとなると少し首を傾けたくなる。


 ではヌードラはどうだろう。どうやら他の候補者の意見にはあまり当てはまらないようだ。また、軍部にいるという立場を考えるとかなり薄い。というのも、軍部では他と違って他の人が近くにいる。仮に近くにいる者を殺したとすると、数も把握されているのですぐにばれてしまう。しかし、発言が他と矛盾しそうなのが引っ掛かる。ただし、ライチと同じ女性だ。


 ニムは攻撃的だったが、やはり異形というのが足を引っ張り過ぎるため考えられない。攻撃的な理由も明確だ。


 イサエルは言葉の不安定さが目立ったが、異国の者という理由がある。また、ニムと同じで勝ち抜くのは難し過ぎるはずだ。


 テトは意外とあり得る位置だ。魔王らしい挙動こそ無いが、立場も武器もしっかりしている。発言も割と単純なものが多いし、上手く魔王らしいという注意を外せていると言えば外せている。ただ結果から見ても魔王であるならばもう少し積極的に自分を当選に導くようにアピールしていく必要があっただろう。


 グローバも考えられる位置だ。あの仮説はかなり悩ましい仮説である。状況を混乱させるという意味では効果的だったかもしれない。また、研究熱心な姿を演じれば、グローバに成りきれるという考えも持てそうだ。とは言え、自身で自身を怪しくさせるような意見を言うだろうかとも思う。魔王だとしたらかなりの悪手だ。総合的には一番遠い存在にも見える。


 それともそれも込みで計算して言ったのだろうか。いや、考え辛い。かなりリスクがある。あるいはブードーの拡声器の効果か。しかしだとしたら今までは何故大丈夫だったのだろうかとなる。


 こうしてざっと考えると七人の中にいた可能性は十分にある。そうであって欲しいものである。この七人を調べて確定を作るというのもありかもしれない。成り代わっていた場合は死体が上がるはずである。しかしこれはいつも調べるがなかなか出てこないのが難点だ。今も捜査はしているが、魔王もこの期間に見つかるようなへまはしないだろう。


 そうは言っても、できる限りのことはやっておきたい。モリスに頼んで最優先で捜査するよう念を押しておこう。


一方、操られている者がいる可能性も指摘されていた。いるとは限らないが、こちらも考察しといた方が良いだろう。


 まず、通過した三人にいる可能性だが、仮にいたとしたら魔王を支援するように動くようになるためこれはわかりやすいだろう。逆にいてくれた方が魔王が誰であるかがわかりやすくなるとも考えられる。魔王側がそれを嫌って沈黙を保つならそれはそれで影響はないと言える。


 では、落ちた七人の中にいたとしたらどうか。厳密にはいるとしたらこの七人の中にいると思われる。魔王を残し、自分は落ちるというケースがベストだからだ。


 ライチである可能性。立ち位置的には十分にある。この場合意見を同調させにいっていたセメスが一番に魔王の候補として挙がる。ただ、それだと少し露骨ではある。また、逆に攻撃対象であるドメスは外れるだろう。


 ヌードラである可能性。意見は意表を突くものが多かったか。話の仕方自体は好感が持てる方だ。ただし、語気は強い。仮に操られているとしたら、擁護されたドメスが魔王か。


 イサエルである可能性。操りやすい人柄ではあると思う。擁護気味だったコヨルドが魔王らしいか。まあ、そうであるなら今となっては関係ないが。ただ、コヨルドが魔王であるならば、補助魔法が苦手過ぎて人を操れるのかは疑問である。これはケーテも同じだ。もちろん、魔力操作はできない前提だが。


 コヨルドである可能性。いかにも魔王らしく振舞って、自分を魔王のように見せているという解釈ができ、十分にあり得る場所だ。ただ、彼が擁護しているような人物は見受けられない。彼の推論の結果から推察すべきか。因みにその推論も自分が一番魔王らしいという結果でこれがまたそう見える。一方、彼を擁護したイサエルは魔王でないと言えるだろう。メリットが無い。


 グローバである可能性、コヨルドと同じように意見の対象に自分が含まれており、自身を魔王らしく見せるという事はクリアしてそうだ。ただ、新仮説を言ったりと魔王側に不利な情報も提供している。もちろん、状況を混乱させる意味もあるかもしれないが、それにしてもの内容である。ずっと魔王が滞在できるという情報の問題提起は魔王不利と考えるのが普通だ。それとも魔王側にはその裏に隠されてたものがあるのだろうか。だとするとかなり厄介だ。


 テトである可能性。コヨルド擁護だから彼が操られているなら魔王はコヨルドなのだろう。しかし、魔王にとって不利な発言もあった。ドラグナーは殺せないの下りである。これに関してはグローバよりも明確に魔王が損する情報だ。


 ニムである可能性。議論の荒し具合から考えるとかなりあり得る。仮にそうなると三人の中だと魔王はドメスか。あまりお互い絡むようなことも無く、無難な立ち回りとも言える。ただ、問題のドメス自身は魔王とは考え辛い存在だ。


 操られている者がいるのかいないのか、いるとしたら誰なのか。それを判明させるだけでもかなり魔王を追い詰める事ができそうだ。もう落ちてしまった七人だが、何かしらの形で調査すると良いのかもしれない。


 とりあえず、選挙も後半戦である。最大限の努力をし、魔王を除けるようにできればと思う。


三人当たりましたかね?


そろそろ、半分くらいの人に当てて欲しいこの頃。


ご感想など、お待ちしてます!!


以下、ヒント

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意見の中には五人の中に、よりそうらしい人とそうでない人がいます。

マトリックスを組む場合、単純に当てはまるからと丸を付けるだけではそうした要素を加味出来ません。

つまり、ある工夫をして


普通に当てはまる場合と

五人の中で優劣がある場合を


調整する必要があります。


ただし、表は参考になるという程度で、表だけ判断するのは良くないかもしません。

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