プロローグ
緑が生い茂り、水が海として広がり、大地がそこから顔を出し、時には天にまで届くほど突き出ている星をご存知だろうか。
その星は太陽という恒星の光を受け、それが届く時を昼として、届かぬ時を夜とした。夜は太陽の光を反射する月なるものが光を照らし、日によって輝き方が変わるそれを見て人は時の流れを月で表したりもする。
ここまで言えばわかるだろうか。そう地球だ。
何故地球の話をするかって。それはこれからお見せする世界も地球のような環境があるからだ。太陽が回り、月が照らし、緑が生い茂り、海も山もある。生物までも似たようなものがいる世界なのだ。
ただ、少し違うのは、この世界がワルティシャという名前で、国が三つしかないことだろう。世界の中心には魔族が住むとされる暗黒大陸があることだろう。
中央が暗く沈む世界で、三つの国はそれを囲むように三角形に位置していた。暗黒大陸から見て北の国はガーディー国、南西の国はトルティ国、南東の国はプル国と呼ばれている。
それぞれの国にはドラゴンと言われる神の生物がいて、魔族を暗黒大陸に封印していた。平和は彼らのおかげで成り立っているのだ。
故に、ドラゴンの方針は絶対だ。そのまま国の神がドラゴンなのだ。そして、ドラゴンたちはそれぞれ違う個性を持っていた。
血筋や血統を大事にする護りのドラゴン・リバルド、智を大事にする知恵のドラゴン・ブードー、力こそ全てという力のドラゴン・プルード。
それぞれの国は、それぞれのドラゴンの方針で育っていた。
さて、一方で魔族たちも封印されたまま黙っている訳ではなかった。魔族には魔王というしばしばドラゴンの偉大な力を超える強敵がいるのだ。この魔王は封印を破っては外へ出て、ドラゴンの抹殺を試みていた。
ドラゴンを超える力。それは衝突すればドラゴンが消滅することを意味する。故に、人間たちはワルティシャの神々に頼んで、ある力を手にすることになる。ドラグナーだ。
ドラグナーはドラゴンを守る力を有し、ドラゴンと共に戦えば魔王を撃退することができるのだ。しかし、ドラグナーは国に一人しかいることができない。選び方が大変になってくる。
選び方はその国のドラゴンの方針で国ごとに決められた。一人しかいないドラグナーは人間の代表としてその国の統治者ともなるのだ。それがこのワルティシャである。
そうそう、人間人間というが、この国には様々な人間がいる。情緒を持ち、交流ができる者は皆人間なのだ。エルフ、巨人、魔法使い、もちろん普通の人間。他にも様々な人間がいる。
ただ一つ、彼らは皆同じ言葉がしゃべれるのだ。ワルティシャの言語は一つ。これは魔族ですらも同じなのだ。
さてはて、このお話はそう言った魔族・魔王と、ドラゴン・ドラグナー達のお話。争う両者の戦争です。どう争って、どう収束するのか。トライアングルの音が鳴るとき、世界は答えをくれるでしょう。
トライアングルドラグナーズ。是非聞いていって下さい。
今後の活動の為、ご感想など頂けると幸いです。