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第1話 サッカー

「おい、サッカーやろうぜ。」

「はあ?」

(あきら)が何か言い出したようだ。

どうせ、いつもと同じでくだらないことだろうが。

「だから、外行ってサッカーしようぜ。」

「寒すぎだろ。却下。」

ただいまの気温は1度。昼間だが、曇っていて今にも雨が降りそうである。しかも風が強い。

「お前なあ……子どもは風の子なんだぜ?」

「じゃあ、てめえ1人で行ってこいよ。」

「わかった。」

「おう……ん?」


「ではサッカーをやりまあす。」

「くそが……なんで俺も……。」

なぜか俺も加えられていた。しかも服装がちゃんとしたユニフォームである。

明の家から持ってきたらしいが、なんでこいつこんなもん持ってるの?

そして現在地、なぜゲートボール場なんだ……。

「お友達だから。」

「じゃあお友達やめるわ。」

「一定期間を経過していないのでキャンセル料が発生いたしますがよろしいですか?」

「クーリングオフで。」

「できるわけないだろ、何言ってんの。」

「やっぱ帰るわ。」

「すまん、俺が悪かった。」

明は両手を合わせて俺に頭を下げた。

「よろしい、では始めようか。」

明は顔を上げた。

「OK」


「キックオフ!ぷぁー。」

「その効果音はバレーが始まったときの音だぞ。」

「スポーツは万事平等である。」

「シュウウウウウウウウゥゥゥゥゥトオオオオオ!」

俺は明の戯れ言を無視してゴール(と言っても地面に白線で書いているだけ)めがけてボールを蹴った。

ボールは、見事白線の内側に入った。

「おい貴様ああああああああああああ!」

「まずは俺が一点リードだな。」

「ふん、どうやら貴様に格の違いを見せてやらねばならんようだな。」

「早くしろよ寒いんだよ。」

「御意。」


「ふぁー。」

「違う、それ違う。」

「うるせえ!俺のシュウウウウウウウウゥゥゥゥゥト!」

明が右足を振りかぶった。

「しめた!」

明は今右足を後ろに振りかぶっている。

すなわち、今は左足で立っているということだ。

これがどういうことか、お分かりだろうか?


俺は明の左足めがけてスライディングをした。

見事命中。

「うおっ!?」

何が起こったかわからない明であったが──

「うほう!」

明は顔面から地面に叩きつけられた。

「どう?土美味しい?」

明は顔を上げながら、

「めっちゃ大地の味がする。」

と言った。気持ち悪いなこいつ。

「じゃあ、先に帰るわ。」

「おい待て(たかし)!まだ決着はついてねえ!」

「うるせえ鼻毛抜くぞ。」

「また後でな~。」

明は手を振って俺を見送ってくれた。

俺はなんと優しい友達を持ったことか。


今日も、楽しい1日であった。

ご閲覧ありがとうございます。

ご意見ご感想などありましたら、書いていただけると幸いです。

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