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外伝ニ 声
「ふぅ、なんとかうまくいったわね」
1人の女性がこたつにはいりながらみかんをたべて安堵している。
周りは氷でできた洞窟のような空間になっている。
地下深くに人が住めそうな広い空間があり、そこにはこの空間にはにつかわしくないこたつ、みかん、テレビ…などがある。
「にして、これらは便利でいいものね。これを使える世界に生まれたかったな」
そう呟いた女性はみかんをほおばる。
「ずるして逃げてしまった分、せめて手助けになるように『声』だけで干渉したけど、だめだったかな…?」
「まぁ、卑怯者ではあるな」
どこからともなく白髪の女性が現れた。
「ですよね……ここであったら謝らないといけないですね」
「当たり前だ、といいたいところだがここに辿り着けるのか?」
白髪の女性は手に持っていた氷柱を指先で回す。
「大丈夫です。ここにこないとおそらく今回もゲームオーバーです」
みかんを食べる女性は強い眼差しでそう答えた。
「いつになることやら」
「もうすぐです。アヴァロンへ向かってますから」
そう言いながらみかんを夢中でほおばる。
「雛、あなたに謝りたい。無茶なお願いです、ここまできてください」
氷で覆われた空間に響く魔女の声は吹き下ろす風にかき消されてしまった。




