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第五章 一節 宮廷魔導士〜後編〜

いつもより若干少ないです。


 ウーサー王と会話した後、すぐにワープ魔法で戦場に向かった。戦場は圧倒的に原住民の方が優勢であり、ウーサー王の軍は戦意喪失であまり動けていない人が多そうだった。



 負傷者も多数いて、まずは負傷者を手当てしなければと思い、モルガンは全員に治癒魔法をかけた。するとワーワーと声があがってくる。治ったことに驚いているようだった。



 そうしてる間にも、魔法や弓が飛んできてまた誰かが負傷しそうだったので今度は防御魔法をかける。



 治癒と防御の準備は整ったので、攻撃準備を行う。女王に就任してから今までの間、魔術の修行はかかさなかった。それは、いつかこのような戦争に駆り出されるこてを予期していたからだ。今、修行の成果を試す時。



 モルガンは目を瞑り詠唱し始める。それは対象者を一気に消す魔法。詠唱しながら、対象範囲を広げていく。何かされると気づいた原住民達はモルガンを攻撃した。しかし、どの攻撃も当たらない。アヴァロンの女王であるモルガンを攻撃できるのは、聖剣を扱う者ぐらいしかブリテンにはいないだろう。それ以外からの攻撃は攻撃と()()()()()()



 詠唱が終わると目を開けた。その瞬間、モルガンの体からでてきた巨大で透明な手が対象者達を全てすくいあげ、手をゆっくり閉じ潰してしまった。この瞬間は1秒もかからなかった。



(ふぅ…かなり魔力を使ったけど次第に回復するだろう)



 魔力をかなり消耗したが、体質的に自然と回復するため疲れるのは一瞬だけだ。モルガンは深呼吸をし、地上へおりた。戦場の司令官であろうか?中堅のような見た目で威厳のある雰囲気を纏った男性が呆然としていたのて、話しかけた。



「大丈夫ですか?みなさん」



 すると、男性が間髪入れずに答えてくる。


 

「ええ、大丈夫です。あなたの治癒のおかげです。それはそうと原住民達をどうやって倒したのですか?」



 男性の突然の質問になんだが笑けてきたので素直に答えた。



「え?見てましたよね?一瞬で捻り潰して殺しました」


「え…捻り潰す……」


「………」



 男性はあまり納得していない感じだったが、話を続けた。



「原住民を倒したので、戦争は終わりですよね?」


「へ?あ、あぁ…そうさ、終わりだよ。これから生き残った者を連れて中心地に戻るよ」


「わかりました」



 モルガンは戦争の終了だけを確認して、すぐに宙に浮き一瞬でいなくなってしまった。



「あの女性は誰だったのだろうか…それにしても美しい人だったな…」



 そう男性は呟き、仲間の元へ戻るのであった。




 モルガンはあの後、すぐに戻ってきた。そして、戦争が終結したとの報告も同時に上がってきた。早さにも驚いたが、なにより有言実行したのが感心ポイントだった。

 長年欲しかった土地も手に入りかなり自分でも機嫌がよかった。だから、モルガンには望む以上の褒美を与えてやろうと決めていた。モルガンが帰還した翌日、マーリンとモルガンを呼び出した。



「モルガンよ!よくやった!そなたには感謝してもし尽くせないな…当初依頼された通り、そなたの希望は叶えよう。しかし、それだけでは褒美に見合っていないと感じるのだ…よって他にも欲しいものがあればなんなりと申せ。できる限り叶えよう!」



 ウーサー王は鼻息荒く話している。そんな姿をみたモルガンは少しだけ微笑む。この申し出はすでに予想済みであったからだ。

 問題はこの追加の褒美に何を申し出るかだ。昨夜いろいろ考えたが、()()しか思い浮かばなかった。



「ウーサー王、ありがとうございます。そうですね…では私の母をは城下によんでもよいでしょうか?」


「そなたの母君を?そんな簡単な望みでいいのか?」


「はい、母には恩返ししたいのです。私がマーリンに弟子入りし、立派な魔女になれたのも母のおかげです。母が私をマーリンに託してくれなければ、ウーサー王の望みを叶えられなかったんですから…」



 モルガンは少し目に涙を溜める。それをみたウーサー王は少しもらい泣きをしながら話始めた。



「なんと…そうか……わかった!では母君を城下によぼう!宮廷魔導士の母として、好待遇でもてなそうではないか!」


「ウーサー王、ありがとうございます。母も喜びます」



 モルガンは頭を下げた。その姿にウーサー王はより感動し、モルガンには自分から別の褒美を与えようと思ったのであった。



 モルガンはウーサー王の元から去った後、マーリンの自宅へ戻った。


 

 ブリテンは中心地に城と城下町が広がっているようなつくりだ。城下町はかなり広く城を中心に円形に町が広がり周りは壁で覆われている。壁より外側は各領主達の土地であるが、一部は原住民が住みウーサー王のものではない。

 基本的に城にはウーサー王とその親族、側近やその家族、またメイドや執事などが住んでいる。

 城下町は2層にわかれ、城に近い場所には兵隊達やその家族、城を支えるその他の方達が住んでいる。

 


 マーリンは本来は城に住む立場だが、どうも城が好きではないため城下町に住んでいる。それもあってか、周りの家よりもかなり豪華な作りだ。当の本人はほとんど使っていないが…。

 モルガンが帰宅してもマーリンはいなかった。



「ただいま…マーリンいないようですね」


「うん、マーリンはいないよ」



 黒猫のルルはモルガンの呟きに返事をした。



「ルル!ブリテンに来ていたのですか?」


「うん。今日来たの」



 ルルとは後に合流しようと約束してアヴァロンで別れた。アヴァロンで何かしたかったみたいだったから。先にブリテンについて数日たったが、ルルが来る気配がなく少し心配しているところだった。



「そうなんですね」


「そう。それよりもさ、聞いたよ?ウーサー王からの褒美に母親を呼ぶことにしたの?モルガンどうしちゃたの?」



 ルルの言うことは最もだ。母、イグレインはルフェや自分を何度も苦しめた内の1人だ。そんな相手を城下に呼ぶなんて、褒美を与えるようなものだ。おかしい扱いされても仕方ない。



「ルル、まぁ、普通はそう思うわよね。でもね、これは作戦。しかもこれをきっかけに私の家族は崩壊するわ」


「え?そうなの?そうは見えないけど」


「大丈夫よ。多少、嫌味は飛んでくるかもしれないけど…今は何言われても平気よ」


「ならいいけど」



 ルルは尻尾をゆらりとふり、モルガンの肩に飛び乗るのであった。




 モルガンのお願いを受けて、コーンウォールの城には王族の印が入った手紙が届いた。それを受け取ったイグレインは笑みを浮かべる。



「ふふ…やっと来たわね。モルガンが宮廷魔導士になったのかしら…」



 ゆっくりと封を切り、手紙を読む。そこには()()記されていた。



 ー親愛なるお母様

 ー明日から城下に住みましょう

 ー城下では王が特別待遇でもてなしてくれるようです

 ー明日、朝から迎えが来ます

 ー準備しておいてください


 ーモルガン



「ふふ…やった…やったわ!これで私は、私はついに華やかな生活を送れる!」



 部屋で高らかに笑い始めるイグレイン。その声はモルゴスの部屋にも届いた。



「また母様が笑ってる…最近、母様おかしいわね…なんか若い薬剤師からもらった栄養剤か何かを飲み始めてから変な感じがする…また栄養剤飲んだのかな?」



 モルゴスはボソッと呟き、母の変貌を嘆いたのであった。

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