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●2025年4月
2025年4月15日(火)
桜の季節も終わり、新緑の美しい季節になった。
私たちの小さな編集プロダクションも順調にスタートした。最初の企画は雫さんの絵と私の文章による絵本だった。
「子供の頃の思い出」をテーマにした優しい物語。雫さんの繊細な絵と私の温かい文章がよく合っていた。
出版社からも好評価をもらえて、正式に出版が決まった。
「私たちの最初の共同作品ですね」と雫さんが嬉しそうに言った。
「そうです。記念すべき第一作です」
今日は二人で打ち上げをした。近所の小さなレストランで静かに乾杯した。
「葵さんと出会えて本当によかった」と雫さんが言った。
「私も。あの日ベランダから声をかけてくれなかったら、今の幸せはなかったかもしれません」
コロナ禍という大変な時期に出会った私たち。でもその困難があったからこそ、お互いの大切さが分かったのかもしれない。




