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●2024年10月
ハロウィン。街には仮装した人々がたくさんいた。
雫さんと一緒に渋谷の様子を見に行った。久しぶりの大規模なイベントで、活気が戻ってきたことを実感した。
「賑やかですね」と雫さんが言った。
「ええ。でも私たちには静かな夜の方が似合いますね」
「そうですね。帰りましょうか」
家に戻ってから、二人でハロウィン映画を見た。少しホラー要素のある作品で、雫さんが時々私の腕にしがみついた。
「怖いですか?」と聞くと、「少し」と答えた。
でも本当は怖くないのかもしれない。私に触れる口実が欲しかっただけかも。
映画が終わった後、二人でキッチンに立ってココアを作った。
「今日はありがとうございました」と雫さんが言った。
「私の方こそ。楽しかったです」
ココアを飲みながら、今後のことについて話した。
「もう少し時間を共有しませんか?」と雫さんが提案した。
「どういう意味ですか?」
「部屋を行き来するだけでなく、もっと一緒に過ごす時間を増やしたいんです」
私も同じことを考えていた。




