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【コロナ禍百合恋愛短編小説】隣の部屋の静かな宇宙~ベランダ越しの恋文(ラブレター)~  作者: 霧崎薫


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●2024年9月

2024年9月21日(土)


秋分の日。昼と夜の長さが同じになる日。

雫さんと一緒に新宿御苑に行った。紅葉にはまだ早いが、秋の気配を感じる散歩だった。


芝生の上にシートを敷いて読書をした。私は小説、雫さんはアートブック。時々顔を上げて微笑み合う。穏やかな午後だった。


「こんな時間がずっと続けばいいのに」と雫さんがつぶやいた。

「私も同じことを考えていました」


最近は二人の時間がとても自然になった。特別なことをしなくても、一緒にいるだけで満たされる。


夕方、公園内のカフェでお茶をした。

「葵さん、私たちの関係について話しませんか?」と雫さんが切り出した。


心臓がドキドキした。

「はい」


「私は葵さんとの時間がとても大切です。友人以上の感情を抱いています」

「私も同じです」

「でも、これからどうしたいか分からなくて」

「一緒にいられるなら、それだけで十分です」


雫さんは微笑んだ。

「私もそう思います。形にこだわらず、自然に関係を育てていきましょう」


その夜、初めて手を繋いで帰った。小さな一歩だったが、とても大きな意味があった。


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