●2024年8月
2024年8月14日(水)
お盆休み。今年は雫さんと一緒に私の実家に帰省することになった。
両親には「大切な友人」として紹介するつもりだった。
新幹線の中で緊張している雫さんを見て、私も緊張してきた。
「大丈夫ですよ。きっと気に入ってもらえます」と励ました。
実家に着くと、母が温かく迎えてくれた。
「雫さんですね。葵からよくお話を聞いています」
「お邪魔いたします。いつも葵さんにお世話になっています」
父も弟も雫さんを気に入ったようだった。夕食の席では絵の話で盛り上がった。
「雫さんの描かれる絵を見てみたいですね」と母が言った。
「今度個展を開く時はぜひご案内します」と雫さんが答えた。
夜、私の昔の部屋で雫さんと話をした。
「素敵なご家族ですね」と彼女が言った。
「ありがとうございます。皆さん雫さんを気に入ったようです」
「私も居心地がよくて、本当の家族のように感じました」
本当の家族。その言葉に胸が熱くなった。
翌日、二人で近所を散歩した。子供の頃よく遊んだ公園、通っていた小学校、駄菓子屋さん。雫さんに私の生い立ちを紹介できて嬉しかった。
「葵さんの子供時代が想像できます」と雫さんが笑った。
「きっと今と同じように優しい子だったんでしょうね」
「そんなことないですよ。結構わがままでした」
「今もちょっとわがままですよね」
「えっ?」
「でも、そこも可愛いです」
可愛いと言われて顔が赤くなった。




