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●2024年7月
2024年7月7日(日)
七夕。雫さんと一緒に短冊に願い事を書いた。
彼女は「大切な人との時間を大切にできますように」と書いていた。
私は「想いを伝える勇気が持てますように」と書いた。
「素敵な願い事ですね」とお互いの短冊を見せ合った。
私たちの願いは実は同じことを指しているのかもしれない。
今日は隅田川の花火大会があった。近所の高台から二人で見ることにした。
花火が上がるたびに歓声が上がる。久しぶりに聞く大勢の人々の笑い声だった。
「きれいですね」と雫さんが見上げた。
「ええ。でも花火よりも…」
「よりも?」
「隣にいる雫さんの方がずっと美しいです」
今度は遮るものがなかった。雫さんは驚いたような、でも嬉しそうな顔をした。
「葵さん」
「雫さん、私は…」
大きな花火が上がった。空が明るく照らされる。その光の中で、私たちは見つめ合った。
「私も同じ気持ちです」と雫さんが小さく言った。
心臓が高鳴った。ついに想いが通じ合った。




