表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コロナ禍百合恋愛短編小説】隣の部屋の静かな宇宙~ベランダ越しの恋文(ラブレター)~  作者: 霧崎薫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/41

●2024年5月

2024年5月5日(日・祝)


こどもの日。ゴールデンウィークの最終日。

今日は雫さんと一緒に鎌倉まで出かけた。久しぶりの小旅行だった。


北鎌倉駅から歩いて建長寺を訪れた。新緑が美しく、心が洗われるような気持ちになった。雫さんはスケッチブックを持参して、境内の風景を描いていた。


「集中している雫さんも素敵ですね」と言うと、彼女は照れたように笑った。

「見られていると緊張します」

「ごめんなさい。でも見ていたくなるんです」


江ノ電に乗って江ノ島まで足を延ばした。海を見るのは久しぶりだった。波の音を聞きながら、二人で砂浜を歩いた。


「海っていいですね」と雫さんが言った。

「開放的な気分になります」

「私も。普段考えすぎてしまうことも、海を見ているとどうでもよくなります」


夕方、江ノ島の展望台から夕日を見た。オレンジ色に染まった空と海がとても美しかった。


「きれいですね」と雫さんがつぶやいた。

「ええ。でも一人で見ていたらここまで美しく感じなかったかもしれません」

「どういう意味ですか?」

「大切な人と一緒だから、景色もより美しく見えるんです」


彼女は振り返って私を見つめた。その瞳に夕日が映っている。


「葵さん、私…」

「私も、雫さんのことを…」


でもその時、近くにいた観光客が「写真撮りましょうか?」と声をかけてきた。


私たちは慌てて「お願いします」と答えた。でも本当は違う言葉を交わしたかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ